メンタルヘルス・ハラスメント
ストレスチェック 2022/08/31

ストレスチェックが労働安全衛生法の改正で義務化!対象者や実施手順を解説

こんにちは。企業の健康経営を支援する「わくわくT-PEC」事務局です。

50人以上の労働者を抱える事業場には、労働安全衛生法によりストレスチェックが義務化されています。この記事では、労働安全衛生法の概要やストレスチェックの目的、リスク、費用、実施の流れ、対象となる労働者についてなどを解説します。ストレスチェックを実施するうえで必要な情報を網羅できるため、事業場の担当者は参考にしてください。

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<目次>
◆ストレスチェックとは
◆労働安全衛生法とは
◆ストレスチェックに関するリスク
◆ストレスチェックの目的とは何か
◆ストレスチェックを行う労働者とは
◆ストレスチェックの診断をする方法とは
◆ストレスチェックを実施できる人
◆ストレスチェックを行う流れ
◆ストレスチェックに関わる費用
◆まとめ

ストレスチェックとは

ストレスチェックとは労働安全衛生法第66条の10に基づき、2015年12月から一定規模の事業場で実施が義務化されている、ストレスに関する検査です。仕事での強いストレスが原因で精神障害を発病し、労災認定される労働者が増加していたために、労働安全衛生法の改正で義務化されました。

労働安全衛生法とは

労働安全衛生法は、1972年に労働基準法から分離独立して制定されました。労働安全衛生法の目的は、労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を整えることです。事業場には、この法に従う義務があります。

-----【ストレスチェックの実施義務がある企業】-----
ストレスチェック実施の義務があるかは、事業場の規模によって変わります。50人以上の労働者を抱える事業場は、すべての労働者に対して年1回行わなければなりません。50人未満の事業場については、努力義務となっています。

ストレスチェックに関するリスク

ストレスチェックをする際に、事業場にはいくつかのリスクが存在します。どのようなものがあるのかを解説します。

▼損害賠償などの責任に問われるリスクがある
実施義務がある事業場が、仮にストレスチェックを未実施でも罰則はありません。しかし、仕事での強いストレスが原因で事故が発生した場合、事業場は安全配慮義務違反による損害賠償や労災認定などの責任が問われる可能性があります。

▼実施報告書の未提出には罰則がある
ストレスチェックの実施・未実施に関わらず、50人以上の従業員を抱える事業場は、労働基準監督署へその旨を記した報告書を必ず提出しなければなりません。報告書が未提出の場合、50万円以下の罰金が科せられます。

▼ストレスチェックの結果を保管しなければならない
労働者の同意を得て事業者に提供されたストレスチェックの結果は、実施者または事業者から指名された実施事務従事者に保管責任があります。保管期間は5年間で、保管を怠った場合は罰則の対象になります。

ストレスチェックの目的とは何か

ストレスチェックの目的は、労働者のメンタルヘルス不調を防止することです。検査の結果を労働者にフィードバックし、労働者自身が早期に不調を自覚することを促します。常時使用する労働者に対してストレスチェックを行うことで、事業場が職場環境を改善し、働きやすい環境を整えることも狙いの1つです。

ストレスチェックの対象者とは

ストレスチェックの対象は「事業場が常時使用する労働者」に該当する人です。事業者である社長や役員、派遣労働者は対象外となります。具体的な必要要件は、以下の通りです。

【ストレスチェックの対象となる労働者の必要要件】
・契約期間が1年以上
・1週間の労働時間が、通常の労働者の4分の3以上
・常時雇用者
・直雇用のパート、アルバイト

ストレスチェックの診断をする方法とは

ストレスチェックの診断法について、ストレスチェック義務化法案が推奨する実施および選定方法を解説します。

1.調査票を使ってストレスの点数評価を行う

ストレスチェックの診断には調査票を使い、規定された3領域を含むアンケート項目を検査する決まりです。厚生労働省のプログラムである「職業性ストレス簡易調査票」の使用が望ましいとされています。1人ひとりのストレスが点数として評価され、ストレスレベルの高い労働者は、医師が面接指導の必要性を確認します。

2.高ストレス者を選定する

高ストレス者とは「自覚症状が高い者や、自覚症状が一定程度あり、ストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪い者」と定義されています。職業性ストレス簡易調査票の3領域の各評価点数から、高ストレス者に該当するかを確認します。高ストレス者に該当する要件は以下の通りです。

・「心身のストレス反応」の評価点数が高い労働者
・「心身のストレス反応」の評価点数が一定以上であり「仕事のストレス要因」および「周囲のサポート」の評価点数の合計が非常に高い労働者

ストレスチェックを実施できる人

ストレスチェックを実施できる人は限定されています。どのような人が実施できるのか、解説します。

1.保健師や精神保健福祉士などの資格保有者

ストレスチェックを実施できるのは、医師、保健師など法令で定められた資格の保有者に限定されています。資格保有者でも、人事部など人事権がある人は実施できません。定められた資格保有者のうち、医師、保健師以外が実施するには、研修の受講が必要です。実施者になれる資格保有者は、以下の通りです。

【ストレスチェックの実施者になれる資格保有者】
・医師(産業医)
・保健師
・精神保健福祉士
・歯科医師
・看護師
・公認心理師

ただし3年以上労働者の健康管理等の業務に従事した経験のある看護師・精神保健福祉士は、研修を受講しなくても実施者になることが可能です。

2.産業保健スタッフや衛生管理者などの社内スタッフ

ストレスチェック実施の際に、実施者の指示で事務を行う人は資格を持っていなくても問題ありません。労働者の解雇や昇進、異動などの権限を持つ管理監督者からは選べません。一般的には社内の衛生管理者や産業保健スタッフから選ぶことが多く、事務職員から選ぶケースもあります。

3.情報管理や実施体制が整備されている機関

実施者を引き受けられる資格保有者が事業場内にいない際は、外部機関への委託となります。顧問契約している嘱託産業医への委託もできますが、業務の範囲が広いため、外部機関と共同で実施者になる形が推奨されています。

ストレスチェックを行う流れ

ストレスチェックは、行う流れが決まっています。どのような順番で行うか、順を追って解説します。

1.実施前の事前準備を行う
ストレスチェックの方針を決め、事業場内に表明します。労働者が納得して調査を受けられる環境を整えたうえで、実施します。方針の話し合いで具体的に決めるべき内容は、以下を参考にしてください。

【話し合いで決める内容の参考】
・実施者、実施事務従事者
・実施期間
・質問項目の内容
・ストレス度の評価方法
・面談指導を行う医師の選定
・結果のデータ化、保存、管理方法

2.対象者へ結果を通知する
検査の結果は、実施者から労働者へと速やかに直接送られます。事業者が結果を受け取るには、労働者本人の合意が必要です。事業者が労働者に対し、結果の開示は強制できません。実施者もまた、労働者の合意なしに、結果を事業者へと渡してはいけません。

3.医師によって面談指導を行う
高ストレス者かつ必要と判断された労働者に対して、面談指導の希望の有無を確認します。実施者は面談指導が必要とされた労働者へ、産業医面談の受診を推奨します。受診は義務ではないものの、可能であれば受診してもらいましょう。

事業者は医師の意見を参考に、就業上の措置を行います。なお、ストレスチェックの結果や、医師による面談指導によって、労働者に不利益な取扱いをすることは禁じられています。

4.職場環境の改善を行う
検査の結果を集計・分析することで、職場におけるストレス要因を発見し、職場環境を改善しましょう。医師から検査結果を聞いたのち、面談指導から1か月以内に要因を是正する必要があります。

※出典:厚生労働省「ストレスチェック制度 導入ガイド」より引用

ストレスチェックに関わる費用

ストレスチェック実施に関わる費用について、内容と相場および削減する方法を解説します。

ストレスチェックにかかる費用とは

ストレスチェック制度は数多くの工程で成り立っており、なかでも人件費が大きな割合を占めます。たとえば医師の面談指導は1時間3〜5万円程度といわれます。人件費の負担に加え、工数がかかり、関係各所への調整が必要です。職場改善につなげるにはノウハウも不可欠であるため、外部の専門機関に委託する選択肢もあります。

ストレスチェックの費用を削減する方法とは

ストレスチェックの費用を削減するためには、前提として高ストレス者を出さないことが重要です。メンタルヘルス不調を予防するために、これまでのストレスチェックの結果を活用し、メンタルヘルス対策や産業医や産業スタッフとの連携を強化しましょう。スムーズなストレスチェックの実施や費用削減に向けて、外部の専門機関を活用することも有効です。

まとめ

ストレスチェックは、労働安全衛生法に基づき50人以上の労働者を抱えるすべての事業場に実施義務があります。実施までの手間や、まとまった費用がかかるため、外部への委託も選択肢の1つです。

ティーペックのストレスチェックでは、事業主さまが、ストレスチェックを法令に沿って適切に実施できるよう、実施者サポートからシステム環境の提供、高ストレス者や高ストレス部門のフォローに至るまで、トータルで提供することが可能です。さらに、ストレスチェック結果を踏まえた組織分析や結果報告、職場改善のサポートなど、実施後のプログラムも充実しています。お気軽にお問い合わせください。

※当記事は2022年8月に作成されたものです。
※「健康経営(R)」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

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