1000社以上の改善提案を経験したコンサルに聞く!ストレスチェックを職場環境改善につなげる方法
こんにちは。企業の健康経営(R)を支援する「わくわくT-PEC」事務局です。
顧客に対して、ストレスチェックの集団分析と職場環境改善の提案を行う、ティーペック株式会社お客様サポート部のコンサルタント。そのメンバーのひとりである佐久間誠一さんに日々の業務内容をはじめ、ストレスチェックを職場環境改善につなげるために大切なこと、そしてティーペックが提供できるソリューションについてお話を聞きました。
≪目次≫
■営業、コンサルタントとして1000社以上の改善提案を経験
■ストレスチェックの結果だけでは、職場の課題は見えない
■高ストレス者へのフォローは、24時間相談窓口で
■職場改善のために 管理職に「場所と時間」を与える
■ストレスチェックを職場環境改善のきっかけに
営業、コンサルタントとして1000社以上の改善提案を経験
―――佐久間さんの就かれている業務について、教えてください。
佐久間さん(以後敬称略):
私が所属するお客様サポート部は、契約いただいている企業・団体との事務手続きや提供するサービスの運用支援を行う部署です。その中で私はコンサルタントとして、ストレスチェックの結果を集計し、その企業・団体の組織的な状況や傾向を分析するレポートを作成。その後、結果を解説・報告し、職場環境改善の提案を行います。
昨年からお客様サポート部のコンサルタントとなりましたが、それまでは、約20年間営業として多くの企業・団体の職場の課題に接し、様々な改善提案をしてきました。その経験が、現在のコンサルタントとしての業務に大変役立っています。
―――これまで何社くらいの改善提案に関わってきましたか?
佐久間:
現在、ティーペックでは約500の企業・団体にストレスチェックのサービスを提供しています。その業種・業態、規模も様々です。規模的に一番多いのは300〜2000名くらいの規模の企業・団体ですね。
私は、本格的にコンサルタントとしての業務についてから9ヶ月ですが、50ほどの企業・団体を担当しております。またそれまでの20年間、営業の立場でお客様の支援をしていたので、これまでのべ1000社以上の改善提案を経験しています。
ストレスチェックの結果だけでは、職場の課題は見えない
―――令和3年度の厚生労働省委託事業として行われた、ストレスチェックの効果検証に関わる報告書の中に「職場改善を実施しなかった(できなかった)理由」として、3割以上の企業・団体が「集団分析結果から職場・部署ごとのリスク・課題を洗い出すのが困難だった」と回答していました。佐久間さんが人事・総務担当者とやりとりする中で、同じ課題感を持つ職場は多いと感じていますか?
佐久間:
正直言うと、ストレスチェックの結果だけでは、職場の課題は見えないんですよ。一口に職場といっても様々です。製造現場も営業もオフィスワークも全く同じ項目で課題を特定するのはかなり困難ですし、ストレスチェックの項目と点数だけで「この職場の課題はこれです」なんて言えません。でもみなさん、それを見ようとしてしまう。「悪い項目の数値を良くすること」ばかりに意識が向いてしまい、なかなか改善につながらないというケースを多く見かけます。経営層から「なぜこの項目が低いのか」と問われ、人事・総務の担当者がその説明のための理由を探し、実際の現場の課題から離れたところに行ってしまうということが起こり得るのです。
―――「職場・部署ごとのリスク・課題を洗い出す」ために、集団分析結果の見方、活用の仕方について、アドバイスはありますか?
佐久間:
集団分析結果は、職場改善のためのエビデンスです。組織全体の中で支援する職場の優先順位をつけ、各項目の数値をきっかけに個別の課題を確認していくのが、ストレスチェックの適切な使い方です。具体的には「この部署で、この項目の数値が悪いというのは、具体的にどう言うことがイメージできますか?」と担当者に投げかけて、要因を一緒に探ります。
例えば、量的負担について低い点数が出ていたとしても、様々な理由が考えられます。「納期に追われていて、残業をいっぱいしていた」という話かもしれませんし、「課題が多くて整理ができず、仕事が回っていかなかった」のかもしれません。または「誰がやるのか、役割分担が曖昧な状態で仕事をやらねばいけなかった」というのもあり得る話です。つまりその現場の状況に合わせて数値を見ていかないと、本質的な課題にはたどり着けないのです。
※出典:厚生労働省「ストレスチェック制度 導入ガイド」より引用
高ストレス者へのフォローは、24時間相談窓口で
―――職場改善について、ティーペックからどのようなソリューションを提案できるかを教えてください。
佐久間:
職場のリスクと個人の状況の確認を分けて考える必要があります。
まず個人の支援について。職場改善にはどうしても時間がかかりますし、一方でメンバーのストレス反応が職場要因でない可能性もあるので、高ストレス反応を示すメンバーには、状況確認と適切なリファーのために専門職の見立てが必要となります。そこに対応するのは社内の産業保健スタッフなどの専門家ですが、フォローアップの手段は基本的に個別面談なので、企業・団体の規模が大きくなるほど難しいものになります。
そのため、状況によっては私どものような外部のリソースを有効活用する方法も提案しています。社外の心理カウンセラーは様々な職場で面談を行っており、多くの経験とノウハウから個々人の状況や職場の状況に合わせて適切な支援を提供することができます。
また、ぜひおすすめしたいのは外部相談窓口の併用です。それは強いストレス反応を示す人でもメンタル不調である自覚がない方が多いことにあります。
ティーペックでは30年以上にわたり、こころや健康に関するご相談を受けておりますが、身体の不調に関するご相談の中には、実はストレス要因のものが内包されているケースが多くあります。そのため、相談の入り口はメンタルヘルスだけでなく身体の気になる症状に関する相談もできると、個人のストレス反応に対する支援をより一層手厚くすることができます。
私たちティーペックが提供する24時間健康相談サービスでは、24時間365日、電話から、契約内容によってはWeb、チャットボットでの相談ができるので、場所や時間の制限なくフォローが可能となります。夜勤が多い人、会社の産業スタッフやカウンセリングルーム、病院などが対応している平日の時間帯に仕事がある人にとって、24時間いつでも相談できる窓口があることはとても重要です。私もリスクの高い職場であるほど、急ぎ24時間健康相談サービスを案内しています。
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職場環境改善のために 管理職に「場所と時間」を与える
―――続いて、職場への支援についても教えてください。
佐久間:
キーマンとなる管理職を対象とした研修やワークショップ、インタビューが、職場への支援の主なものです。
そのひとつで特に有効な支援に「ストレスチェック結果フィードバック研修」があります。毎年管理職に集まってもらい、実際に自分たちの職場の集団分析結果を手元に持ってもらいながら、数値の意味を正しく理解できるよう講師が解説します。そのうえで改めて管理職の役割(ラインケア)を学び、その実践のためのアクションプランの作成まで支援しています。
―――職場改善の提案を受け入れてもらうために気を配っていること、工夫していることは何でしょう。
佐久間:
よくある話なのですが、職場環境改善の取り組みについて経営層に話を伺うと「うちの会社は、集団分析結果でリスクの高かった職場の管理職に毎年改善計画を出させているから大丈夫」とおっしゃるんです。実はリスクの高い職場の管理職は、その職場の誰よりも忙しく、頑張っていたりします。そのような状況で「あなたの職場はリスクが高いから、〇月〇日までに改善計画を提出してください」と言われたら、どうでしょう。ストレスチェックに対してネガティブな印象を持ち、会社に対しても不満を募らせる結果になりかねません。
ストレスチェックの結果を共有しただけで「あとは考えてね」ではなく、職場について考える場所と時間を、日々忙しい管理職のために用意してあげる必要があります。先ほど紹介した「フィードバック研修」の一番の価値は、多忙な管理職に「場所」と「時間」を与えることです。会社として実効性のある職場改善を求めるのであれば、「集団分析の結果をどう読み解けばいいのか」「改善計画をどう作ればいいのか」についてコンサルタントの支援のもと、管理職同士で意見交換をしながら、一緒に考える「場所」と「時間」を用意してあげることが重要と考えます。
価値観の違う管理職が集まって話をすると、自分がこだわってきたことに対し、他の人から「そんなことやっているの?」って言われたり、逆に思いもよらないことを他の人は重視していたりして、様々な気づきが生まれます。同じ立場の管理職のアドバイス、考え方にふれることで、独りよがりだったマネジメント方法が変わり、職場改善につながっていくことが多くあるのです。
―――企業側から喜ばれた提案や取り組みはありますか?
佐久間:
ある企業で職場環境改善のワークショップに行った時、これまでずっと人事担当の働きかけに非協力的だった管理職の人が、ワークショップ内で真剣に意見を戦わせて、最後に堂々と「こういうことをメンバーのためにやっていきます」と宣言していたのです。すると、それを見た人事担当の人が「あの人からあんな宣言が出るなんて、心から感動した」と喜びの声をもらったことがありました。
日々の業務が忙しくて職場をあまり顧みないような管理職の人であっても、チームを思う気持ちはあって、「場所」と「時間」を提供することで、それを引き出すことができるのだと気づかされたエピソードでした。
ストレスチェックを職場環境改善のきっかけに
―――最後に、健康経営に取り組む企業・団体の皆さんにメッセージをお願いします。
佐久間:
現在、ストレスチェックを行うことは法律で義務化をされていますが、職場改善はあくまで努力義務で、罰則はありません。行ったストレスチェックを活かすかどうかには、それぞれの考え方ですが、活かしたいと思う企業・団体がいらしたら、ぜひ職場改善のお手伝いをしたいと思います。
若い人たちがどんどん減っていって、人手の確保がますます課題となるなか、元気で長く働き続けられる環境づくりは、すでに最優先の経営課題ともいえるのではないでしょうか。
とはいえ、「ストレスチェックって、よくわからない」という人がまだまだ多いのも事実です。ぜひ多くの企業・団体にストレスチェックの活かし方を知ってもらい、職場改善のきっかけにしてもらえるよう、これからも頑張りたいと思います。
<コンサルタントからお知らせ>
佐久間:
長年、ティーペックは業界問わず多くの企業様の健康経営や職場環境改善のお手伝いをさせていただいており、ノウハウや事例を豊富にそろえております。それらを活かし、「わくわくT-PEC」では健康経営や従業員のメンタルヘルスケアに関するさまざまなコンテンツを発信しておりますので、ご興味のある方は、ぜひチェックしてみてください!
※「健康経営(R)」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
※当記事は、2025年6月に作成されたものです。
※当記事内のインタビューは、2025年5月に行われたものです。
