10年後のタバコ顔がイヤなら禁煙しよう!~タバコが与える肌への影響~
こんにちは。企業の健康経営を支援する「わくわくT-PEC 」事務局です。
今回は「タバコが与える肌への影響」についてご紹介します。
「喫煙は身体に害を及ぼす」と分かっていても、なかなかやめられないのが現実です。しかし、喫煙を続けていると身体の中だけでなく肌にも影響を与え、「タバコ顔」になってしまうかもしれないとしたらどうでしょうか。ここでは「タバコ顔って何?」「タバコ顔にはなりたくない!けど、どうすればいいの?」という疑問にお答えします。
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10年後はどんな顔に?タバコ顔の特徴とは
米国オハイオ州クリーブランド大学病院とケース・ウェスタン・リザーブ大学が行った、喫煙歴に5年の差がある双子(片割れは既にタバコは吸っていない)のタバコ顔(シワの数や顔の特徴)の検証結果が米国の国立生物工学情報センターで報告されています。この検証は、顔の3分の1の詳細な肌の観察により行われましたが、喫煙している方がシワなどの老化現象が多く見られたと書かれており、喫煙歴の5年の差でもタバコ顔に顕著な違いを見せることが示唆されています。
では、タバコ顔の特徴を見てみましょう。
【タバコ顔の特徴】
・シワやしみが目立つ
・唇や口元のシワが目立つ
・目元のシワ
・上瞼や下瞼のたるみ、クマが目立つ
・肌の弾力がなくなる
・頬がこけ、やつれて見える
・肌トラブルが多い
・ほうれい線が深くなる
・肌が黄ばみ唇は黒っぽくなる
・あごがたるむ
・白髪が増える
このように、老化現象が早まり、実年齢よりずっと見た目が老けてしまうタバコ顔になってしまうのは、どうしてなのでしょうか?
タバコ顔になる原因とは
そもそもタバコにはニコチン・タール・一酸化炭素の三大有害物質などが含まれているため、身体や肌への影響だけでなく白髪やガラガラ声になるなど、至るところに影響を及ぼしてしまいます。
タバコの美容にかかわる害の中でも大きな影響が出るといわれているのが肌です。まず、タバコを吸うとニコチンのもつ毛細血管を収縮させる働きによって血管が細くなります。さらにその細くなった血管を通る血液は、結合力のある一酸化炭素と結びついてしまい、酸素不足になって淀んだ(よどんだ)状態になるため、身体のすみずみに栄養が届かなくなってしまうのです。
栄養が届かなくなると肌の再生力も弱まり、くすみが出たり、吹き出物が出たりといった肌トラブルにつながります。血行自体も悪くなってしまうため、肌の血色が悪くなるのもタバコが肌にもたらす悪影響のひとつです。
また、タバコのもつ数百種類の化学物質が身体に入ってくることで、抵抗しようと活性酸素を大量に発生させてしまいます。その活性酸素が細胞の酸化を招きコラーゲンの生成を低下させるため、肌の弾力が失われシワやたるみが目立つようになり、タバコ顔へとつながっていくのです。
さらにタバコを吸うことで発生した活性酸素を除去するために、大量のビタミンCが消費されてしまうことも分かっています。ビタミンCの欠乏によってコラーゲンの生成を妨げ、免疫力を低下させてしまうことで肌へ悪影響を与えてしまうと考えられています。
その他の害
タバコの害は、肌だけでなく髪や口腔、歯にも及びます。血行が悪くなることで髪が生えにくくなり、薄毛や抜け毛を招いたり、口腔内では歯周病や口腔がんになるリスクを高めたりする可能性があります。何より、歯や歯茎が薄黒くなるなど見た目が悪くなってしまうので、特に女性は気になるところでしょう。身体や見た目に多くの害を与えてしまうのが「タバコ」の怖いところなのです。
まずは「禁煙」をしよう!
タバコの害を減らし、「タバコ顔」にならないようにするためには「禁煙」するのが一番です。タバコ顔の原因であるタバコ自体をやめてしまえば、有害物質を体内に取り込むことが少なくなり、すこやかな肌を維持することも可能になるでしょう。
また、すでにタバコ顔になってしまっている人でも、肌は一定周期で生まれ変わっているため、禁煙することで肌の改善が期待できます。禁煙と同時に、十分にビタミンCを補うことでも肌の状態をよくすることができます。
禁煙に必要なのは、強い動機と周囲のサポートですが、「タバコ顔」という見た目のリスクを知れば、タバコをやめる動機になるかもしれません。どうしても自力での禁煙が難しい場合は、禁煙治療を行っているクリニックなどで医師のサポートを受けることも視野にいれながら、「禁煙」を試みてはいかがでしょうか。
<参考>
・NCBI "Facial changes caused by smoking"
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23924651
・『近代消防』2014年1月〔第30回〕口腔へのタバコの影響について(監修:歯学博士 鹿島隆司)
・BRITISH MEDICAL JOURNAL VOLUME 291
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1419177/pdf/bmjcred00479-0020.pdf
※当記事の内容は、弊社運営のWebサイト『禁煙の教科書』に2017年10月26日に掲載された当時のものです。(2022年4月更新 ※記事内の一部文言修正しました。)
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