企業による従業員のメンタルヘルス対策の重要性と企業事例・具体例【医師監修】
こんにちは。企業の健康経営を支援する「わくわくT-PEC」事務局です。
貴社のメンタルヘルス対策にお役立ていただける資料 『2025年度 健康相談・メンタルヘルスカウンセリング相談データから見る従業員のメンタルヘルスの実態』をダウンロードする>>
労働者のメンタルヘルスケアは企業の責務の一つで、社会的にも企業のメンタルヘルス対策の重要性は増しています。また、生産性の向上や経営の安定化などの観点からも、従業員が働きやすい環境を整備することは大切です。この記事では企業によるメンタルヘルスケアの重要性についてまとめました。記事の後半では施策の具体例、実際の企業の事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。以下、医師監修による記事です。
<目次>
◆社会的に企業のメンタルヘルス対策が重要視される背景
◆企業が従業員のメンタルヘルス対策に力を入れるメリット
◆厚生労働省が示す企業のメンタルヘルスケア対策の全体像
◆労働者のメンタルヘルス対策で重要な4つのケアとは?
◆企業による従業員のメンタルヘルス対策の具体例
└ストレスチェックの実施・活用
└相談窓口やメンタルヘルス対策専門部署の設置
└メンタルヘルスに関するセミナーや研修の実施
└産業医との連携や外部EAPの利用
└コミュニケーション活性化でテレワーク等の孤立感を改善
└就業規則の整備
└顧客からの暴言・暴力への対策の推進
└非正規労働者を意識したメンタルヘルス対策の強化
◆企業のメンタルヘルス対策事例
└NECソリューションイノベータ株式会社
└野村證券株式会社
└日本電信電話株式会社/株式会社NTT ExCパートナー
◆メンタルヘルス対策は企業の義務|リスク管理や企業価値向上においても重要
社会的に企業のメンタルヘルス対策が重要視される背景
以前は「メンタルヘルスの管理は個人の問題」という認識が強かったのですが、近年、企業がメンタルヘルス対策に力を入れる傾向が強くなっています。法令を遵守するというだけでなく、すべての従業員が健康的に働ける環境を整備することが企業に求められています。
■ストレスチェック制度の義務化
労働安全衛生法の改正によって、2015年の12月1日よりストレスチェック制度が義務化されました。常時50人以上の労働者のいる事業場は対象者に対して1年以内ごとに1回の頻度でストレスチェックを行う義務があり、該当しない事業場に関しても実施が努力義務となっています。
また、常時50人以上の労働者のいる事業場はストレスチェックの検査結果を報告する義務があり、労働安全衛生法には罰金の定めもあります。検査結果報告書の未提出や虚偽の報告は、50万円以下の罰金になるため注意しましょう。
こうした義務化を契機に、企業が取り組むメンタルヘルス対策は多様化してきています。
■安全配慮義務違反による労働トラブルリスクの認知
安全配慮義務とは、雇用者が労働者に対して負う義務の一つです。雇用者は労働者の安全を守る義務があり、健康に対しても一定の配慮を行わなくてはなりません。この配慮には、もちろん労働者のメンタルヘルスケアについても含まれます。
たとえば、精神的な不調によって業務に支障が出ている従業員がいる場合。業務の継続によって悪化が懸念されるようであれば、企業はその従業員を休養させるなどの適切な対応を取る必要があります。
業務によって従業員の不調が悪化すれば、安全配慮を怠ったとして賠償責任を負う可能性もあり、企業にとっては重大なリスクになります。メディアではさまざまな労働トラブルが報道されており、企業のイメージを大きく損なうケースも少なくありません。専門部署を設置したり、産業医などに相談したりしながら、適切に対応することが重要です。
■CSRの一環として企業価値を高める
企業としてメンタルヘルス対策を推進することは、企業価値を高めることにもつながります。従業員の健康・安全への配慮は企業の社会的責任(CSR)でもあります。厚生労働省の「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)」(※1)によれば、メンタルヘルス対策に取り組む事業者の割合は63.4%です。前年調査の59.2%から割合は増加しています。
また経済産業省の「健康経営優良法人認定制度」では、経営的な視点から従業員の健康管理を実践している企業を表彰しています。健康経営という従業員の健康に配慮した取り組みの実績は、求職者に選ばれる理由になったり、投資家の検討材料になったりします。企業の価値を高めるという点からも、メンタルヘルス対策を含めた健康経営の導入は重要だと言えます。
企業が従業員のメンタルヘルス対策に力を入れるメリット
ここまでは、従業員へのメンタルヘルスケアが重要視される社会的な背景について説明してきました。従業員が健康的・安全に働ける環境を整備することは、企業にとってもメリットになります。企業が従業員のメンタルヘルス対策を推進するメリットは主に以下の3つです。
■モチベーションを維持し、業務効率の低下を防ぐ
従業員のメンタルヘルス不調はモチベーションの低下を招きます。また、過度なストレスは判断力や集中力の維持にも影響するため、業務効率の低下にもつながります。働きやすい職場環境を整備することは、従業員のモチベーションを維持し、会社全体の業務効率を向上させるというメリットを期待できます。
■重大な事故やハラスメントを防止するリスクマネジメント
従業員のメンタルヘルスの不調は、重大な事故やハラスメントの原因になるケースもあります。事故やハラスメントが起きた原因が企業の対策不足であれば、イメージを大きく損なう可能性が高いです。企業のメンタルヘルス対策は従業員だけでなく、企業そのものを守るためにも必要です。取引先や顧客、従業員から民事訴訟を起こされるケースもあるため、リスクマネジメントの観点からも従業員のメンタルヘルス対策は必須です。
■離職・休職率を下げて、経営を安定化させる
「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)」(※1)によれば、メンタルヘルスの不調によって連続1ヶ月以上休業した労働者、退職した労働者のいた事業所の割合は13.3%にも上ります。令和2年調査9.2%(※2)、令和3年調査10.1%(※3)から増加しており、メンタルヘルス不調は企業の人材確保という観点においても深刻な問題だとわかります。
メンタルヘルス不調への対策を怠ることで社内の風土も悪化しやすくなり、社内全体で離職率・休職率の上昇が懸念されます。離職率・休職率が上昇すれば採用活動や人材育成のコストが発生しますし、現場の混乱にもつながります。経営を安定化させるためにも、従業員のメンタルヘルスケアに力を入れましょう。
厚生労働省が示す企業のメンタルヘルスケア対策の全体像
企業によるメンタルヘルス対策は主に一次予防〜三次予防に分けられます。具体的な施策・制度を検討する前に、メンタルヘルスケアの全体像について理解しておきましょう。
■メンタルヘルス不調者を出さないための環境改善:一次予防
一次予防とは「メンタルヘルス不調者を出さないための対策」のことです。職場環境を整えたり、ストレスチェック制度を活用したりするのが一次予防に該当します。また、セルフケアについての情報提供や研修実施も一次予防です。従業員が働きやすい環境を整えるとともに、会社全体でメンタルヘルスに関する意識を高めましょう。
■メンタルヘルス不調を悪化させないための仕組みづくり:二次予防
二次予防とは「メンタル不調者が出た場合に悪化させないための対策」のことです。二次予防では、早期発見と早期対応が重要です。本人もしくは同僚・上司などが不調に気づいた場合、すぐに社内外の窓口に相談できる体制を整えましょう。
●日頃から相談窓口を周知しておく
●不調について相談しやすい雰囲気を作っておく
●自身や同僚の異変に気づくための知識を持っておく
など、メンタルヘルス不調者が自ら相談できる環境や仕組みを整備することが大切です。
■再発を防止し、スムーズな職場復帰を支援する:三次予防
三次予防とは「復職復帰支援とメンタルヘルス不調の再発防止策」のことです。メンタルヘルスの不調によって長期にわたって職場を離れていた場合、職場復帰は簡単なことではありません。復職後、不安や焦りからメンタルヘルス不調が再発して、再度休職する・離職する可能性もあるため、復職時のサポートおよび復職後のフォローが重要になります。
たとえば、「慣れるまでは短時間勤務にする」「残業をさせない」「精神的な負担になるような仕事内容を制限する」など、復帰者の状況に合わせて業務を調整することが、スムーズな職場復帰につながります。
企業としては休職から復職までのフローを整理し、しっかりとした職場復帰支援プログラムを策定しておくことも必要です。職場復帰支援プログラムをベースとして、個々人の事情を考慮した職場復帰支援プランを作成し、産業医や復帰者の主治医などと連携して支援しましょう。
貴社のメンタルヘルス対策にお役立ていただける資料 『2025年度 健康相談・メンタルヘルスカウンセリング相談データから見る従業員のメンタルヘルスの実態』をダウンロードする>>
労働者のメンタルヘルス対策で重要な4つのケアとは?
厚生労働省の「職場における心の健康づくり〜労働者の心の健康の保持増進のための指針〜」(※4)によれば、「セルフケア」「ラインによるケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」の4種類のケアを、継続して計画的に実施することが労働者のメンタルヘルス対策において重要だとされています。それぞれのケアがどのようなものかを以下で説明していきます。
■1.従業員のセルフケア
管理監督者も含め、従業員全員がメンタルヘルスの管理方法について正しい知識を持てば、ストレス予防・対処もしやすくなります。セルフケアそのものは個人が行うものですが、メンタルヘルスを管理するための情報の提供やセミナーの開催は企業がサポートできます。また自分でストレスを認識して、異変に気づくきっかけを与えるという観点から、ストレスチェックの実施なども有効です。
■2.ライン(管理監督者)によるケア
ラインによるケアとは管理監督者によるケアのことです。管理監督者は、従業員のストレスに関与している職場の原因を特定して、働きやすい環境になるように改善していく役割があります。また立場上、部下からの相談に対応したり、職場復帰をサポートしたりするのも管理監督者の仕事になります。企業としては、管理監督者向けにメンタルヘルス管理に関する研修を実施するなどして、管理監督者が正しく対応できるようにしておく必要があります。
「メンタルヘルスにおける『ラインケア』の重要性」を読む>>
とはいえ管理監督者自身もメンタルヘルスケア対策を実施することを忘れてはなりません。自身のケアもしながら、企業のメンタルヘルス対策を推進していく立場であるという認識が重要です。次のような施策も検討しながら、管理監督者だけに負担が集中しすぎないように調整しましょう。
●業務量や業務内容を見直す
●管理監督者が利用できるメンタルヘルスに関する相談窓口を設置する
●メンタルヘルスケアの専門スタッフを配置する
■3.産業保健スタッフ等によるケア
社内の産業保健スタッフ等によるケアは、前述の「セルフケア」や「ラインによるケア」をサポートする役割を担っています。
具体的には産業医や衛生管理者、保健師、人事労務管理スタッフなどが該当します。
産業保健スタッフ等によるメンタルヘルスケア支援例
●メンタルヘルスケアに関する企画の実施
●管理監督者への研修の実施
●事業場外資源への窓口
●個別相談への対応
■4.事業場外資源によるケア
事業場外資源によるケアとは、社外にある都道府県産業保健総合支援センターや医療機関、各種相談機関などを活用したケアのことを指します。メンタルヘルス対策に関するサービスを提供する会社と契約を結んで、外部EAPを利用するという方法もあります。
会社の外部に相談窓口を設ければ、社内では話しにくいことも相談しやすくなるでしょう。また外部EAPであれば、対面だけでなく、電話やメール・チャットなどの方法で相談できるケースも多いです。
企業による従業員のメンタルヘルス対策の具体例
では企業としては具体的に何をすればよいのでしょうか。ここからは、企業が実施すべき具体的な施策について解説します。
ストレスチェックの実施・活用
繰り返しになりますが、2015年12月1日よりストレスチェックの実施が義務化されました。ストレスチェックは労働者が自身のストレスを認識するのに有効で、メンタルヘルス不調の予防や早期解決につながります。会社全体や特定の集団のストレス傾向を分析できれば、どのように職場環境を改善すればよいか、具体的な指針も立てやすくなるでしょう。
「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)」(※1)によれば、規模50人以上の事業所の約70%が集団ごとの分析を行っています。そのうちの約80%は分析結果を活用して、業務配分の見直しや残業時間の削減などの対応を取っています。企業主体でメンタルヘルス対策を推進するためには、ストレスチェックを促すだけでなく、検査結果を適切に活用することも重要になります。
相談窓口やメンタルヘルス対策専門部署の設置
メンタルヘルス不調に気づいたときに、相談できる窓口や専門の部署を設置するのも有効です。ストレスチェックなどによって自身の不調に気づいたとしても、どこで相談すればよいのかわからない人もいます。あらかじめメンタルヘルスなどについて、従業員が相談できる体制を整えておけば、未然防止の一次予防から悪化させないための二次予防へスムーズにつながります。
またメンタルヘルス対策の専門部署を設置すれば、部下の体調やこころの問題に関する相談を任せることができるため、管理職の負担も軽減されます。必要に応じて管理監督者によるラインケアをサポートする、もしくは管理監督者に代わって従業員の相談に対応できる専門部署の設置も検討しましょう。
メンタルヘルスに関するセミナーや研修の実施
従業員の中には自身の仕事で精一杯で、自身のメンタルヘルスケアまで気が回らない人も多いです。とくに部下の相談に乗り、職場全体の環境を改善していく立場にある管理職の場合、独学でメンタルヘルスケアに関する正しい知識を身に着けるのは、時間的に難しいケースもあります。
このため企業主体で、メンタルヘルスに関するセミナーや研修を実施することが重要です。セルフケアであれば従業員全体に対してストレスマネジメントの研修を行い、管理監督者についてはラインケアに関する研修も行いましょう。
より効果的に企業のメンタルヘルス対策を推進するためには、誰に、どのような研修が必要なのかを明確にする必要があります。また社内に適した人材がいない場合は、セミナーや研修を専門の機関にアウトソーシングするというのも有効です。
産業医との連携や外部EAPの利用
メンタルヘルス不調は、セルフケアやラインケアだけで防げるとは限りません。たとえば、上司が部下のメンタルヘルス不調に気づいた場合、産業医に引き継ぐことも大切です。人によっては健康状態が評価に響くという懸念から、産業医との面談を嫌がるケースもあります。あらかじめ仕事の評価に影響しないこと、プライバシーは守られることなどを、しっかりと説明しておくことも大切です。
社内に相談窓口や専門部署を設置するのが難しいときは、外部EAPの利用も検討してください。サービスの契約・利用に費用はかかるものの、社内に窓口や部署を設置するよりもコストを抑えられるケースが多いです。
コミュニケーション活性化でテレワーク等の孤立感を改善
新型コロナウイルスの流行をきっかけにテレワーク(リモートワーク)の導入を進める企業が増えました。総務省の「令和4年通信利用動向調査」(※5)によれば、テレワーク導入企業の割合は50%超で、情報通信業に関しては90%以上、金融・保険業に関しては80%以上の導入率となっています。
在宅勤務やサテライトオフィスでの勤務は、孤立感を生む要因にもなります。孤立感はモチベーションだけでなく、周りに相談できる人がいないことで、生産性の低下につながりかねません。企業としてはコミュニケーションを活性化させる工夫が必要です。
たとえば、手軽に会話できる環境を整備することが対策として考えられます。
●テキストチャットやビデオチャットを利用できるコミュニケーションツールを導入する
●定期的にミーティングを実施する
●オンラインでランチを行う
など
就業規則の整備
企業として従業員のメンタルヘルス対策を行う場合、就業規則の見直しや整備も重要です。たとえば、休職や復職に関する事項が曖昧な場合、トラブルに発展する可能性もあります。従業員が安心して休職・復職できるようにしましょう。
就業規則を整備する際は、社会保険労務士などの専門家への相談も検討してください。就業規則によるトラブルを防ぐには、専門家からのアドバイスや監修を受けると安心です。
顧客からの暴言・暴力への対策の推進
近年、さまざまなハラスメントが社会的な問題となっていますが、その一つに「カスタマーハラスメント(カスハラ)」があります。実際、東京都では全国ではじめてのカスハラ防止条例の制定を目指す動きがあり、東京都産業労働局では検討部会(カスタマーハラスメント防止対策に関する検討部会)なども行われています。
カスタマーハラスメントも労働者のメンタル不調や休職・離職の原因になりうるため、顧客からの暴言や暴力への対策も検討しましょう。とくに顧客との距離が近かったり、苦情処理を担当したりするような部署・職種においては、カスタマーハラスメント対策が大きな課題になります。
具体的には、次のような対策が考えられます。
●カスタマーハラスメントが発生した場合のマニュアルの整備をする
●産業医やカウンセラーと連携してカスタマーハラスメントに遭った従業員のケアを行う
●弁護士に相談できる体制を整えておく
●復職したばかりの従業員には負担になりやすい苦情処理などの業務を担当させない
など
非正規労働者を意識したメンタルヘルス対策の強化
企業としてメンタルヘルス対策を推進する場合、非正規の労働者も考慮する必要があります。規定の労働時間に満たないパート・アルバイト、契約社員などへはストレスチェックを行う法的義務はありませんが、非正規労働者へのケアが不要というわけではありません。
短い労働時間で業務を担っているパート・アルバイトなどの従業員に、メンタルヘルス不調が起きるような環境は、当然従業員全員がメンタルヘルス不調をきたすリスクがあります。メンタルヘルス不調によりパート・アルバイトなどの従業員の入れ替わりが激しくなれば、そのしわ寄せは管理監督者や正社員にも及びます。必要に応じてパートやアルバイト、契約社員なども企業のメンタルヘルス対策の対象にしましょう。
また、非正規労働者への指示を一般の従業員が担当している場合は、その従業員にも管理監督者向けのラインケア研修を受けてもらうなども検討してください。メンタルヘルス対策は実際の職場の状況に合わせて行うことが重要です。
企業のメンタルヘルス対策事例
最後にメンタルヘルス対策に力を入れている企業の事例を3つ紹介します。自社と似た事例を確認して、導入の参考にしてみてください。
NECソリューションイノベータ株式会社
NECソリューションイノベータ株式会社では、メンタルヘルス対策の一環として2012年から「働き方アドバイザー制度」を導入しています。資格等を学んだ定年後の幹部社員を再雇用して、従業員の悩みを聴く働き方アドバイザーとして配置するという制度です。
仕事に精通していた人材だからこそ、従業員の悩みに寄り添うことができます。自分の仕事をよく理解してくれる立場のアドバイザーなら、ちょっとした相談でも話しやすくなるでしょう。必要に応じてアドバイザーに相談された悩みを、上司に伝える役割を担うケースもあるとのことです。
また悩みによっては、外部の相談窓口の方が話しやすいという認識から、積極的に事業場外資源も活用しています。ティーペック株式会社の「ハロー健康相談24(R)」や「こころのサポートシステム(R)」などを活用し、気軽に利用できる相談窓口として従業員のメンタルヘルスケアをサポートしています。(2022年7月取材時の情報です)
「NECソリューションイノベータ株式会社さま 導入事例インタビュー記事」を読む >>
野村證券株式会社
野村證券株式会社はさまざまなメンタルヘルス対策を推進しています。女性の健康をテーマにした研修を実施したり、病気の治療と仕事の両立を支援する「治療と仕事のガイドブック」を作成したりしており、従業員の心理的安全性を高める取り組みがなされています。
また社内外で、従業員の相談にスムーズに対応できる体制も整えています。たとえば新入社員は、環境の変化によりストレスを受けやすいため、保健師が直接メールで連絡して、何かあった際の相談を促すようにしているのです。
外部の相談窓口としてはティーペック株式会社の「メンタルヘルス相談窓口」を利用しており、従業員に対して積極的な利用の呼びかけも行っています。研修などの定期的な周知によって、窓口の存在を認識している社員数はおよそ70%にも上ります。(2023年1月取材時の情報です)
「<健康経営インタビュー>野村證券株式会社さま」を読む >>
日本電信電話株式会社/株式会社NTT ExCパートナー
配偶者や子どもの健康が不安定であると、従業員本人の健康やモチベーションの維持も困難になります。こころの健康に影響が出ることもあるでしょう。このため、日本電信電話株式会社/株式会社NTT ExCパートナーでは、従業員の家族も含めた健康の維持・増進という方針でメンタルヘルス対策を推進しています。
従業員の家族への取り組みとしては、配偶者に対して2年に一度、人間ドック費用の補助を行うこと。NTTドコモのウォーキングアプリを家族が利用できるようにすることなどが挙げられます。
また仕事はあくまでも生活の一部であると位置づけ、従業員が自分で仕事を選択し、設計できるような取り組みも進めています。どこにいてもテレワークで働ける「リモートスタンダード」を導入し、転勤や単身赴任を避け、家族と一緒に生活できるような働き方へ変えています。
事業場外資源としては、電話相談やメンタルヘルスカウンセリングで相談窓口を整備し、異動者向けの研修サービスも活用しています。(2023年5月取材時の情報です)
日本電信電話株式会社さま/ NTT ExCパートナーさまのインタビュー記事が掲載されている”健康経営のトレンドをキャッチする情報誌『Cept(セプト)』”を読む >>
メンタルヘルス対策は企業の義務|リスク管理や企業価値の向上においても重要
従業員のメンタルヘルスを守るための対策は、企業の義務です。健康的で安全に働ける環境を整備することは、「企業のイメージアップ」「労働トラブルの防止」「離職率・休職率の低下」「業務効率の改善」などにもつながります。効率的かつ効果的に企業のメンタルヘルス対策を推進するには、厚生労働省などが示す指針を参考にするほか、外部のサービスや専門家の力を借りることも重要です。
<事務局より>以下より、従業員のメンタルヘルスの実態について解説している資料をダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。
***************
【出典】
※1
厚生労働省 「令和4年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r04-46-50_kekka-gaiyo01.pdf
※2、※3
厚生労働省 「令和3年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r03-46-50_kekka-gaiyo01.pdf
※4
厚生労働省「職場における心の健康づくり〜労働者の心の健康の保持増進のための指針〜」
https://www.mhlw.go.jp/content/000560416.pdf
※5
総務省 「令和4年通信利用動向調査」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/230529_1.pdf
【参考】
厚生労働省 愛知労働局 職場におけるメンタルヘルス対策について
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/anzen_eisei/newpage_00001.html
e-GOV 法令検索 労働安全衛生法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347AC0000000057
経済産業省 「健康経営優良法人認定制度」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html
厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」
https://www.mhlw.go.jp/content/000561013.pdf
厚生労働省e-ヘルスネット 「EAP / 社員支援プログラム(EAP)(西大輔)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-085.html
厚生労働省 「事業場におけるメンタルヘルス対策の取組事例集」
https://www.mhlw.go.jp/content/000615709.pdf
東京都産業労働局 「カスタマーハラスメント防止対策に関する検討部会」
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/plan/koyou/kasuhara/
***************
◆監修者プロフィール
●名前
大西良佳
●科目
産業医、公衆衛生、ペインマネジメント、麻酔科、漢方内科、美容皮膚科
●所属学会・資格
公認心理師
産業医
麻酔科専門医
ペインクリニック専門医
公衆衛生修士
温泉療法医
緩和ケア研修修了
ICLSプロバイダー
●メディア出演実績
テレビ朝日「林修のレッスン!今でしょ」
宝島社
東京スポーツ新聞
小学館
※当記事は、2024年5月に作成されたものです。
※「健康経営(R)」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
※本記事内で紹介されているサービスに関して、記事監修の医師は関与しておらず、またサービスの監修もしていません。
メンタルヘルスの記事一覧は、こちら
