ストレス・コーピングとは?~ストレスとの付き合い方、実践方法を解説~
こんにちは。企業の健康経営(R)を支援する「わくわくT-PEC」事務局です。
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健康経営支援サービスを提供するティーペックで、メンタルヘルス相談・カウンセリング業務を担当している心理カウンセラー(臨床心理士、公認心理師等)から、こころの健康を保つためにお役立ていただける情報をお届けします。
今回は、「ご自分のストレスとの付き合い方」についてご紹介します。ご自分で日頃の考え方や行動を思い浮かべながら、お読みください。人事・管理職の方も、ぜひ従業員向けの情報提供用としてご活用ください。
<目次>
◆ストレスコーピングとは
◆実践方法1:ものの見方を柔軟にする
◆実践方法2:ストレス反応を鎮める~
◆対処法のレパートリーを増やすことがポイント
◆職場でのメンタルヘルス対策
└研修を行う
└相談窓口の設置など相談体制を整える
ストレス・コーピングとは
ストレス要因に対処することを「ストレス・コーピング」と言い、次のようなものが挙げられます。
(1)ストレス要因を除去・軽減する(業務量を調整する、異動する)
(2)ものの見方を柔軟にする(別の視点から捉えてみる)
(3)ストレス反応を鎮める(腹式呼吸、リラクセーションを行う)
(4)社会的なサポートを得る(誰かに相談する)
上記の例から、(2)「ものの見方を柔軟にする」、(3)「ストレス反応を鎮める」の2つの方法について、今回は具体的にお伝えいたします。
実践方法1:ものの見方を柔軟にする
ストレス・コーピングの実践方法のひとつとして、「ものの見方を柔軟にする」というものがあります。以下のような場面を想像してみてください。
<状況>朝の出勤時、会社のエレベータ前で上司へ挨拶したが、無視された。
このような場面で、例えば「自分のことが嫌いなんだ」と捉えると、上司との会話にストレスを感じるようになり、自分からコミュニケーションを避けるようになる可能性が出てきます。
そこで、上記の状況を別の視点から捉えてみます。例えば、「上司も考え事をしていたのかもしれない」「相手が自分でなかったとしても同じような態度だったかもしれない」といった具合です。
別の捉え方をしてみた時に、自分の感情がどのように変化するのかを自分の中で振り返り、ストレスに感じる具合を確かめていきます。「嫌いなんだ」と捉えると、怒りや不安が強まりますが、別の捉え方をしてみることで怒りや不安も弱まるのではないでしょうか。
「ものの見方を柔軟にする」際のポイントは、すでに浮かんでいる考えを全て否定するのではなく、今浮かんでいる考えはそのままにしながらも、別の捉え方にも思考の幅を広げてみることです。そうすることで、嫌われているという不快な考え以外にも、適応的な思考や感情が芽生える可能性が高まります。
例えば、「○○さんならこの状況をどう考えるだろう」と他の人の立場に立って考えたり、「もしも大切な友人が同じ体験をしたとしたら、自分は何と声をかけるだろう」と別の視点から考えてみたりすることも、思考の幅を広げる方法のひとつです。
実践方法2:ストレス反応を鎮める
ストレスにより緊張した気持ちや体をゆるめていくことで、リラックスさせる対処方法です。これには、気持ちをリラックスさせる方法と、身体をリラックスさせる方法があります。
(気持ちのリラックス)腹式呼吸
3秒で鼻からゆっくり息を吸い(お腹をふくらます)、息を止める。次に6秒かけてゆっくりと、細く長く、口から息を吐く(お腹をへこます)。これを10回繰り返す。
(身体のリラックス)筋弛緩法
身体にリラックスした状態を味わわせるため、意図的に、身体の一部に(肩、首、腕、足など)数秒力を入れたままの状態を保ち、一気に力を抜く。力を抜いた時、抜けていく感じを「味わう」ことがポイント。
対処法のレパートリーを増やすことがポイント
上述のように、ストレスの対処法はさまざまに分けることができますが、大切なことは、「ひとつの対処法のみに頼らない」ことです。ものの捉え方を柔軟にする対処法を身に付けたとしても、ストレスに感じる状況がこれまでにないくらい辛いものだった場合、ものの捉え方の対処だけでは済まず、辛さを抱え込むこともあり得ます。そのような時に、「一度その場を離れ、腹式呼吸をする」「信頼できる誰かに相談する」など、他の対処法を試みることが有効です。
同様に、日頃の生活から、気分転換になる方法のレパートリーを増やしておくことも大切です。例えば、趣味の旅行が気持ちをリフレッシュさせる唯一の対処法という場合、忙しくて旅行にいけないような状況になると、かえってストレス要因を溜め込む結果になり、心身の状態や、業務や日常生活に支障をきたすことも、少なくありません。
「まとまった時間を使って取り組んでいけること」「仕事帰りなど日頃のちょっとした時間で取り組めるようなこと」といった視点から、自分にとっての新たなストレス解消法を見つけていけるよう、身近な物事にアンテナを張ってみるのもひとつの方法です。
自分自身のからだ・こころの声に耳を傾けることは、忙しい日々の中では後回しにしてしまいがちですが、定期的に自分を振り返る機会を持つことをお勧めします。
そこで、「あれ?」と違和感を覚えたときは、早めに専門家に相談しましょう。
職場でのメンタルヘルス対策
ここからは、ストレスを抱える従業員のメンタルを守るために企業として対策すべきことをご紹介します。
厚生労働省の「令和5年労働安全衛生調査(実態調査)」によると、現在の仕事や職業生活に強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は82.7%(令和4年調査82.2%)となっており、労働者の大半が、仕事へのストレスを抱えていることが読み取れます。
過度なストレスは仕事の生産性低下や、休職・離職といったリスクにつながる可能性があります。従業員向けに研修を実施したり、相談しやすい環境を整えたりといった取り組みを行うことも重要です。具体的な方法を以下でご紹介します。
研修を行う
ストレスとうまく付き合っていくための方法を学ぶ「ストレスマネジメント研修」の実施などが有効です。ストレスマネジメント研修の具体例としては上述で解説した「ストレス・コーピング」や「セルフケア」などがあげられます。専門的な内容のため、社内リソースのみで実施するのが難しい場合は、外部の専門機関から講師を招くのも効果的です。
<事務局より>
ティーペックのセルフケア研修などでは、参加型で身に付くプログラムをご提供します。人事業務や産業保健などを経験した実績豊富な講師が、レベルやご要望に応じて対応します。 ティーペックの各種研修について、詳細はお気軽にお問い合わせください。
『ストレスマネジメントとは?企業における推進方法とセルフケアのやり方【医師監修】』を読む >>
相談窓口の設置など相談体制を整える
ティーペックが従業員のメンタルヘルスの実態について調査した資料(2023年4月~2024年3月調査)によると、従業員の悩みの要因は職場内の問題だけでなく、プライベートな要因も多いことがわかりました。「プライベートな内容は社内に相談しにくい…」といったケースも想定されるため、社内だけでなく、社外の専門相談窓口を設ける必要があると考えられます。社外という気軽さから『悩み込む前に相談する』といった早期対応にもつながります。
<事務局より>
ティーペックの健康相談窓口では、保健師や心理カウンセラーなどの経験豊富な専門家が、こころと一緒に身体の健康もケアすることで潜在的なメンタルヘルス不調者をサポートすることも可能です。詳細はお気軽にお問い合わせください。
まとめ
ストレスを完全になくすことは難しいですが、ストレス・コーピングを身につけることで、イライラした感情をうまくコントロールできるようになったり、ストレスの発散がうまくできるようになったりします。
企業においても、ストレスによる従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐため、研修の実施や、相談窓口の設置など相談体制の整備が重要です。
<事務局より>以下より、従業員のメンタルヘルスの実態について解説している資料をダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。
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【出典】
・厚生労働省「令和5年労働安全衛生調査(実態調査)の概要
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r05-46-50_gaikyo.pdf
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※「健康経営(R)」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
※当記事は、2022年5月に作成されたものです。(2024年12月更新)
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