メンタルヘルス・ハラスメント
ハラスメント 2026/03/16

社外相談窓口の導入メリットとは 社内窓口との違いと失敗しない体制づくりのポイント

社外相談窓口の導入メリットとは 社内窓口との違いと失敗しない体制づくりのポイント

こんにちは。企業の健康経営(R)を支援する「わくわくT-PEC」事務局です。

ハラスメント防止対策やメンタルヘルス対策の重要性が高まる中、企業に求められる相談窓口の役割は年々重さを増しています。しかし実際に窓口を設置すると、「思ったように利用されない」「担当者の負担が想像以上に大きすぎる」など、運用に関する悩みが出てくる企業もあるようです。

そこで本記事では、相談窓口の基礎知識から社内窓口・社外窓口の使い分けの方法、失敗しない体制づくりの要点などを解説します。(以下、専門家監修による記事です)

<目次>
1. 会社における相談窓口とは
2. 社内窓口と社外窓口の両輪で運用することが大切
3. 導入で失敗しない体制設計の3つの重要ポイント
4. ティーペックの外部相談窓口が選ばれる理由
5. 安心して相談できる環境づくりに向けて

1. 会社における相談窓口とは

会社における相談窓口とは、従業員が職場の困りごとや不安を安心して相談できる場のことです。従業員が抱える問題の早期把握や、深刻化の防止にも役立ちます。相談の内容はさまざまで、ハラスメントや人間関係の悩み、体調やメンタルヘルス不調の兆しなどが考えられます。このような相談の入り口を設置し機能させることで、リスクが表面化する前に兆候を拾い、対策を講じやすくなります。

1-1. 相談窓口の役割

相談が早い段階で上がるほど、当事者のケアや職場調整の選択肢は増えます。関係者が限定されている段階であれば、配置転換や業務量の調整、上司のかかわり方の見直しなどの打ち手を比較的スムーズに実施できるでしょう。

相談が遅れ、問題が大きくなってからの対応になると、関係者が増え、対応にかかる時間とコストも大きくなりやすくなります。状況がこじれるほどに当事者の心理的負担も増え、復職や関係修復のハードルも高くなる可能性があります。

相談窓口がこうした現場の違和感を早めに拾い上げることで、組織の持続性を守るインフラとして機能するだけでなく、働きやすい職場づくりの基盤にもなります。

1-2. 主な種類と義務

相談窓口にはいくつかの種類があります。代表的なものにはハラスメント相談窓口があり、企業に求められる対策の中核として位置づけられています。また、ハラスメント防止に関する法令によってハラスメント相談の窓口設置は全企業に義務付けられているものです。

メンタルヘルスや健康相談の窓口も、安全配慮の観点から実務上の重要性が高い領域です。体調不良や不眠、強いストレス反応などは本人が我慢してしまうため、周囲も気づきにくいという特徴があります。相談窓口で相談のハードルを下げ、必要に応じて産業保健や医療につなげる導線をつくっておくことで、重症化の予防を目指せます。

とはいえ、窓口は数を多く持てばいいというものではありません。やみくもに種類を増やすのではなく、自社の課題に対して必要な相談導線を確保することが重要です。

1-3. 設置形態は社内窓口と社外窓口に大別できる

相談窓口の設置形態は、大きく社内窓口と社外窓口に分けられます。社内窓口は、人事総務部門、コンプライアンス担当者、産業保健スタッフなどが担うことが多いです。

外部に委託する社外窓口の場合、電話やWebなどで相談を受け付ける形が一般的です。社外窓口では、利害関係のない第三者に話せる安心感や、一定の対応品質を担保しやすい点が期待されます。

どちらを選ぶにせよ、相談を受け付けた後に社内でどう動くかという連携設計が不可欠です。相談を受けただけで止まってしまうと、相談者の不信感につながりかねません。

2. 社内窓口と社外窓口の両輪で運用することが大切

相談窓口の設置を検討する際に、担当者が迷いやすいのが「社内窓口と社外窓口のどちらを選ぶべきか」という点です。どちらか一方を選択すればシンプルに見えますが、実務ではそれぞれに得意領域と注意点があるため、どちらかだけで運用要件を満たすのは難しいでしょう。

そこで考えたいのが、社内窓口と社外窓口の併用です。両方を設置して役割分担して運用することで、相談のハードルを下げられることに加え、相談者保護と会社としての対応力を両立しやすくなります。

社内窓口と社外窓口の特徴と役割をまとめた表

◆メリット(強み)
【社内窓口】
 ●実行力と解決スピード
 ●再発防止への接続
【社外窓口】
 ●相談のしやすさと安心感
 ●専門性と負担軽減

◆注意点
【社内窓口】
 ●心理的ハードルが高い
 ●担当者の負荷
【社外窓口】
 ●社内事情の把握に限界
 ●連携ロス

◆適した役割
【社内窓口】
 ●解決・是正・再発防止
【社外窓口】
 ●受付・初期対応・トリアージ

社内窓口の強みは、事実確認から具体的な是正措置までを進めやすい傾向にあり、職場環境の改善や研修など組織的な対策に直接つなげやすいことにあります。その一方で、担当者によって対応が異なりやすい傾向にあるなどの注意点もあります。

社外窓口の場合、利害関係のない第三者のため相談がしやすく、初期対応の品質が均一化されやすい傾向にあることは利点です。ただし、社内関係や空気感までは把握しきれないため、解決には社内への連携が不可欠です。
社外窓口は感情を受け止め、事実整理をし、社内への橋渡しを担う存在であり、問題そのものを解決する立場にはありません。最終的な対応や判断、是正措置はあくまで社内が担うものであり、社内体制との適切な連携がなければ実効的な解決には至らない点に留意が必要です。

2-1. 社内窓口で起こり得るリスク

社内窓口は、会社のルールや職場の実情を踏まえて動ける半面、相談者にとって心理的ハードルが高くなりやすい面があります。顔見知りには話しにくい、評価や処遇に影響しそうで怖いといった感情が、相談そのものを止める要因になりがちです。

不利益取扱いへの不安が少しでも残ると、深刻な問題ほど潜在化しやすくなります。相談が上がらなければ、会社としても初動が遅れ、結果的に事案が拡大しやすくなるのです。

また、相談対応が特定の担当者に集中すると、精神的・実務的な負荷が増え、対応品質のばらつきや属人化が起こりやすくなります。担当者の異動や退職で運用が不安定になるリスクも無視できません。

2-2. 社外窓口の特徴

社外窓口の大きな特徴として、利害関係のない第三者に相談できる点にあります。匿名で相談でき、同じ会社の担当者に直接困りごとを言わなくてよいという安心感によって、相談のハードルを下げてくれる可能性があります。

さらに、専門家が対応する体制を取りやすいため、対応の品質が均一化されやすい点も強みです。社外窓口での対応によって、社内担当者が必要な案件に集中でき、負担軽減にもつなげられます。

2-3. それぞれの利点を生かし運用することが大切

受付と初期対応は、心理的ハードルが比較的低くなりやすい社外窓口を活用すると、相談が上がりやすくなる可能性があります。事実確認や是正措置は、就業規則と組織運用を前提に動ける社内窓口が担うと、解決に向けた実務を進めやすくなります。

そして大切なのが、社外窓口で相談を受けた後、社内の担当者がすぐに動ける状態にできているかという点です。機能する体制を整備するには、連携を受ける窓口や事実確認の進め方、対応のプロセス、再発防止への取り組み方を事前に定義しておく必要があります。

3. 導入で失敗しない体制設計の3つの重要ポイント

相談窓口を設置する際は、細かな運用マニュアルを整える前に、担当者が外してはいけない要点を押さえることが重要です。ポイントを外してしまうと、思ったように窓口が利用されなかったり、社外窓口との連携が滞ってしまったりしてしまいます。さらには、担当者が疲弊するなど典型的な失敗に直結しやすくなります。

このような事態が起こらないよう、最低限押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。

3-1. 目的と範囲の明確化|誰が何を相談できるかを決める

まずは、窓口設置の目的と対象範囲を明確化しましょう。例えば、ハラスメント、健康、メンタルヘルスなど、相談できるものが何かをはっきりとさせておきます。相談できるテーマがあいまいな状態では、従業員側も相談してよいかを判断しづらくなり、結果として利用されにくい窓口になってしまいます。

3-2. 安心感の醸成|周知は一度で終わらせない

相談窓口が利用されない要因の1つに、「安心して使えるという確信が持てない」という点があります。安心して相談してもらうためには、相談しても不利益にならないよう会社として対応すること、万が一嫌がらせを受けるようなことがあれば、会社が相談者を守るためにもすぐに連絡してほしい旨を繰り返し伝えていくことが大切です。

また、相談者のプライバシーが守られることや、情報の扱われ方についてもわかりやすく提示することも欠かせません。誰が情報にアクセスでき、どの範囲まで共有されるのかなどについても明確化しましょう。

これらの情報の周知は、一度きりで終わらせず、接点を設計して浸透させることが重要です。入社時のオリエンテーション、異動時、管理職研修、年次のコンプライアンス研修など、繰り返し目に触れる機会を用意すると、いざというときに窓口の存在を思い出してもらいやすくなります。

3-3. 連携フローの確立|社外から上がったとき社内がどう動くかを決める

社外窓口から連携が来たときに、誰が受け、どこへつなぎ、何を判断するのかを決めておくことも重要です。調査から是正、職場調整などのルートがあいまいだと、対応が遅れやすく、二次被害につながる恐れもあります。

社外窓口と社内窓口の連携がうまくいかず、対応が遅れてしまうと、「勇気を出して相談したのに何も変わらない」というイメージを抱かれてしまう可能性もあるでしょう。社外窓口と社内の連携を考える際には、連携を受ける窓口の設定や情報共有の範囲設定、初動対応の判断基準、被害者保護の手順、調査と是正の担当ライン、再発防止への接続まで連携フローを明文化することで運用が安定しやすくなります。

4. ティーペックの外部相談窓口が選ばれる理由

ティーペックは、健康、こころ、ハラスメントなどの領域をカバーしているため、相談体制をトータルで整えたい企業にとって選択肢になりやすい特徴があります。

加えて、第三者性と専門家対応によって、社内の担当者の負荷を下げながらリスク管理を強化しやすいことも利点です。

4-1. 提供価値:第三者性と専門職対応で初動を強くする

第三者が運営する窓口があると、社内では言い出しにくい不安や違和感を相談しやすくなります。利害関係を気にせず相談できる社外窓口によって、問題の早期把握につなげやすくなります。

また、医師や保健師、看護師、臨床心理士などの有資格者が対応する設計は、相談内容に応じた論点整理と次のアクションの道筋づけに寄与します。事実と感情を切り分けて、緊急性や必要な支援を見立てたうえで社内につなぐことで、初動の質が安定しやすくなります。

4-2. さまざまなサービスで企業と従業員をサポート

ティーペックでは、目的や課題に合わせて、以下のサービスから複数のサービスを組み立てることができます。

「ハロー健康相談24(R)」は、こころとからだの悩みを24時間365日、電話で受け付け、有資格者が対応する健康・医療相談の基盤です。さらに、追加オプションでWeb健康相談や、チャットボット健康相談を追加できます。

「こころのサポートシステム(R)」は、メンタルヘルスに関する悩みに応える相談窓口です。専門家が対面、オンライン面談、Web、電話でカウンセリングを提供します。予約不要のスポットカウンセリングと、予約によって同一カウンセラーがカウンセリングを継続的に提供する継続カウンセリングがあります。

「ハラスメント相談サービス」は、公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士、シニア産業カウンセラーなどの有資格者が外部相談窓口としてハラスメント相談に対応するものです。これにより、早期相談と企業側の早期対応を後押しします。

相談窓口と研修を分断せず、職場課題の一次予防から再発防止までを一連の施策として組み立てたい場合には、「ハラスメント総合プログラム」として、研修サービスと組み合わせた設計も可能です。予防を目指した階層別集合研修から、ハラスメント行為者向けのA-I-Dプログラムが用意されています。

4-3. 活用イメージ:社外で受け止め、社内で動かす

まずは社外窓口で相談を受け止め、相談内容を整理したうえで、企業側の運用フローに沿って社内担当へ連携する形が基本のフローです。健康・医療、メンタルヘルス、ハラスメントと入り口を分けすぎず、相談者が迷わない導線をつくることで、早期の拾い上げにつなげやすくなります。

社内では、調査、是正、職場改善などの意思決定と実務に集中し、社外窓口は相談受付と専門的な一次対応を担うというように役割分担するとよいでしょう。

◆ティーペック活用の「実務フロー」イメージ (ハラスメント相談の場合)
[1] 相談発生:従業員がティーペックの外部窓口(ハラスメント窓口)へ連絡します。
[2] 一次対応:カウンセラーが傾聴し、緊急性と事実関係を整理します。
[3] 会社報告:ご相談者本人の希望があった場合のみ、同意を得た範囲で、ご相談者に代わってティーペックから企業の人事担当者へ報告します。
[4] 解決・再発防止:会社は是正措置を行います。
※「こころのサポートシステム」のご契約があれば、相談者へのケアや是正措置後のアフターフォローとして必要に応じて心理相談へのご案内が可能です。
※ハラスメント総合プログラムにある「人事・労務ホットライン」では、人事担当者が「事実確認の進め方」や「行為者へのヒアリング時の注意点」を専門家に相談でき、アドバイスも受け取れます。

5. 安心して相談できる環境づくりに向けて

相談窓口は、設置するだけでなく、従業員が安心して使える環境をつくることが大切です。しかし、社内だけですべてを抱え込んでしまうと、相談が潜在化してしまったり、担当者に大きな負担がかかってしまったりする可能性があります。

社外窓口を導入する際には、受付・初期対応を社外窓口に任せ、事実確認や是正措置を社内窓口で行うといったように、役割を分担することで実効性のある体制をつくりやすくなります。

運用までを含めて確実に相談窓口を機能させたい場合は、実績のある社外窓口を活用して、自社にマッチする相談体制を整えていくことをおすすめします。

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<監修者プロフィール>
山本喜一(やまもと きいち)

監修者である山本喜一先生のプロフィール画像

社会保険労務士法人日本人事 代表
特定社会保険労務士、公認心理師、精神保健福祉士

上場支援、相談窓口の設計・対応支援、ハラスメント、個性の強い社員、メンタルヘルス不調者対応などを得意とする。著書「補訂版 労務管理の原則と例外 働き方改革関連法対応」新日本法規、「労働条件通知書兼労働契約書の書式例と実務」日本法令、「IPOの労務監査標準手順書」日本法令、「相談者を裏切らない 機能する社内相談窓口のつくり方」中央経済社など多数。
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※当記事は2026年2月に作成されたものです。
※「健康経営(R)」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
※本記事内で紹介されているサービスに関して、記事監修の専門家は関与しておらず、またサービスの監修もしていません。

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