メンタルヘルス・ハラスメント
メンタルヘルス 2024/01/22

メンタルヘルス不調の原因や症状とは?企業としての対策について解説【医師監修】

こんにちは。企業の健康経営を支援する「わくわくT-PEC」事務局です。

メンタルヘルス不調は、私生活での出来事、職場でのトラブルや大きなストレス、過剰な仕事量による睡眠不足など様々な要因が重なっておこります。企業は健康経営という観点から、メンタルヘルス不調に対する理解を深め、対策を進めていくことが必要です。この記事では、メンタルヘルス不調の定義や原因、症状、企業としての対策について紹介します。本記事を読んで、メンタルヘルス不調の原因や対策を学びましょう。以下、医師監修による記事です。

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<目次>
◆メンタルヘルス不調とは?
└メンタルヘルス不調の定義
└メンタルヘルス不調の原因
◆メンタルヘルス不調のサインと症状
└メンタルヘルス不調のサイン
└具体的な症状・代表的な精神疾患
◆メンタルヘルス不調の予防法と対応方法
└セルフケアによる予防
└ストレス緩和方法
└精神科・専門の医療機関への相談
◆職場でのメンタルヘルス不調対策
└企業におけるメンタル不調者の割合
└職場におけるメンタルヘルスケア『3つの段階』
└職場での取り組み
◆従業員のメンタルヘルスサポートはティーペック
└健康相談窓口
└ストレスチェック・職場改善コンサルティング
└職場復帰サポート
└職場のヘルスリテラシー向上研修・セミナー

メンタルヘルス不調とは?

メンタルヘルスとは、こころの健康状態を指します。たとえば、気分が軽い・やる気がみなぎっている・趣味に没頭できるなどといった状態は、メンタルヘルスに異変が起きていないといえます。まずは、メンタルヘルス不調の意味や原因について確認していきましょう。

メンタルヘルス不調の定義

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」よると、メンタルヘルス不調は、「精神および行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的および行動上の問題を幅広く含むもの」と定義されています。(※1)

<出典>
(※1)厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/kouji/K151130K0020.pdf


よりわかりやすく説明すると、なんらかの原因で強いストレスや悩み、不安感などを抱えてしまい日常生活に支障をきたす状態が、メンタルヘルス不調です。

メンタルヘルス不調の原因

メンタルヘルス不調の原因は、外因性と内因性に分けられています。

外因性とは、不調の原因が外部にあるケース、つまりストレス要因のことです。たとえば、以下のような職場要因のメンタルヘルス不調は、労働者自身で解決できない問題でもあります。こうしたメンタルヘルス対策は、上司や企業単位で改善に取り組む必要があります。

●職場での人間関係に関するトラブル(パワハラなど)
●業務量の増加による長時間労働
●異動などの環境変化によるストレス

一方、内因性は、無気力感や不安感などはっきりとした要因を見つけるのが難しく、自身に由来するものを主に指しています。また職場要因や私的要因(私生活におけるなんらかのトラブルなど)と関連しているケースもあるため、産業医や企業のサポートだけでなく、労働者の家族などがカウンセラーや医師へ相談する場合もあります。

メンタルヘルス不調のサインと症状

メンタルヘルス不調の早期発見・早期対処には、サインを見逃さないようにするのが大切です。続いては、メンタルヘルス不調のサインと具体的な症状について紹介します。

メンタルヘルス不調のサイン

メンタルヘルス不調のサインは、こころ、身体、行動の3つのいずれかに現れる傾向があります。

まずは、こころの不調のサインを紹介します。
●憂鬱な気持ちになる
●不安感が強い
●イライラしてしまう
●やる気が出ない

身体に出てくる不調のサインは、以下のとおりです。
●食欲不振になる
●身体がだるく疲労感が取れない
●便秘や下痢が続く
●不眠もしくは過眠

また、行動に関する不調のサインについては、以下のとおりです。
●人に会うのが億劫になり家に閉じこもる
●遅刻や欠勤が増える
●身なりを意識しなくなる
●ミスが増える

従業員からメンタルヘルス不調の訴えがあった場合や、上司・同僚などが従業員のメンタルヘルス不調に関するサインに気付いた場合は、産業医や専門の医師などの専門家へ相談しましょう。しかし「会社に行きたくない」などの不調は従業員からは言い出しにくいため、どのような内容でも相談しやすい環境づくりも意識する必要があります。

具体的な症状・代表的な精神疾患

メンタルヘルス不調になると、前項で紹介した症状以外にも以下のような症状が見られることがあります。

●頭痛
●肩こり
●ぼーっとして思考が止まる
●動悸がする
●仕事に集中できない
●周囲からずっと見られている気がする
●眠れない、もしくは過眠になる
●物事を楽しめなくなる
●気分が落ち込む

また、メンタルヘルス不調に気付かず過ごしていると、うつ病や適応障害、睡眠障害、パニック障害、依存症といった精神疾患につながるリスクもあります。早期対処には、労働者本人による早めのセルフケア、家族や友人のサポートだけでなく、企業がメンタルヘルスケアに取り組み、早期発見・対処できる環境づくりを進めなければなりません。

メンタルヘルス不調の予防法と対応方法

事業者・労働者共にメンタルヘルス不調を予防するうえで、セルフケアの方法を覚えておくことが大切です。また事業者は、メンタルヘルスケアの計画づくりおよび従業員への情報共有として、対応方法についても把握しておく必要があります。

それでは、メンタルヘルス不調の予防方法と対応方法について解説します。

セルフケアによる予防

セルフケアは、自分自身の心身をさまざまな方法で対処し、メンタルヘルス不調を予防する対策です。

以下に主なケア方法を紹介します。
●家族や友人などとコミュニケーションをとる
●趣味を楽しむ
●散歩などの軽い運動やストレッチを行う
●睡眠の質を高める
●マインドフルネスを行う

マインドフルネスは瞑想(めいそう)や呼吸のツールを活用し、集中力を取り戻したり気持ちを安定させたりする効果があるとされています。

ほかにもプライベートでは、家族や友人などとコミュニケーションや体験などを楽しむ、趣味に没頭するなどの方法でリフレッシュするのもおすすめです。心身をリラックスさせるには、適度な運動やストレッチの習慣を付けたり、入浴・好きな音楽・香りなどを活用したりして睡眠の質を高めたりしましょう。

また職場で行える簡単なセルフケアとして、肩や腰などのストレッチ、深呼吸で緊張をほぐす、などの方法もあります。

ストレス緩和方法

ストレスを緩和させたい場合は、前段で紹介したセルフケアに加えてコーピング(ストレスコーピング)を取り入れてみましょう。

コーピングとは、ストレス反応に対して何かしらの対処をすることです。つまり、ストレスをやわらげるために、自身で原因に対して意図的に何かを行ったりイメージしたりする方法です。

音楽を聴くのが好きなのであれば、好きな曲を聴くという行動もコーピングといえます(行動的コーピング)。ショッピングを楽しんだり好きな映画やアニメを観たりなど、自身にとってリフレッシュにつながる行動は、ストレスの軽減・緩和効果を期待できます。

行動的コーピング以外にも、ストレスの原因となる事象をポジティブにとらえる「認知的コーピング」という方法も存在します。たとえば、仕事でのミスで上司から注意を受けた際、自身の成長に必要な機会とイメージしてストレスを捉える方法が、これにあたります。

精神科・専門の医療機関への相談

状況によっては、メンタルヘルスの不調が悪化し、セルフケアで対処しきれないケースも出てくるでしょう。このような場合は、精神科をはじめとした専門の医療機関を受診し、適切な治療を受けるのが大切です。

職場でのメンタルヘルス不調対策

職場におけるメンタルヘルス不調対策を考える際は、3つの予防と4つのケアを軸に計画を立ててみましょう。それでは、職場でのメンタルヘルス不調対策について解説していきます。

企業におけるメンタル不調者の割合

厚生労働省の資料によると、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる方の割合は、令和4年度に83.3%を記録しました。令和3年度までの割合は50%前後だったので、さらに増加していることがわかります。(※2)

【出典】
(※2)厚生労働省 「令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf


また厚生労働省の別の資料では、メンタルヘルスの不調で連続1ヶ月以上休業した労働者もしくは退職した方の割合は13.3%(令和4年度)という結果で、こちらも前年度の10.1%と比べて増加している状況です。(※3)

【出典】
(※3)厚生労働省 「令和4年 労働安全衛生調査(実態調査)」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r04-46-50b.html


このように、メンタルヘルスに不調をきたす労働者は増加傾向であることから、企業によるメンタルヘルスケア体制の構築が求められているといえます。

職場におけるメンタルヘルスケア『3つの段階』

職場においてメンタルヘルスケアを実施するには、3つの段階に分けて予防策を講じる必要があります。

まずは、職場環境の評価に基づいた改善活動やストレスチェック制度の実施といった、メンタルヘルスの不調を未然に防ぐ「一次予防」に着手しましょう。

ストレスチェックや勉強会などで従業員が自らの不調に気が付いても、従業員が自ら「休職が必要だ」などと判断するのは難しいです。こうした判断や問題解決を助けるのが、産業医などの専門家の存在です。産業医や産業保健スタッフに相談・面談ができる環境を整えるなどして、メンタルヘルス不調者を早期に発見し、対処できるよう「二次予防」の対策を整えてください。

またメンタルヘルス不調者に対してのサポートが治療まででは不十分です。休職していた従業員がスムーズに職場復帰できるようにする「三次予防」も大切です。必要に応じて外部の医療機関などと連携しましょう。

職場での取り組み

事業者側でメンタルヘルスケアを円滑に進めるうえで重要なポイントは、計画的に続けることです。事業者が行うべきメンタルヘルスケアは、厚生労働省によって大きく4つに分けられています。前段でも紹介したセルフケアのほか、ラインケア、事業場内産業保健スタッフなどによるケア、事業場外資源によるケアです。

以下に、4つのケアと企業が行うべき行動についてわかりやすく紹介します。

■セルフケア
・事業者が、自社の労働者・管理監督者に対して、セルフケアを実施できるよう教育研修、情報提供・共有などの支援を行う

■ラインケア
・管理監督者が、現場の職場環境の評価、改善計画の策定、実施と効果分析を繰り返すことで改善を目指す
・仕事や上司とのトラブルなど労働者からのさまざまな相談に対応したり、職場復帰の支援へ取り組んだりする

■事業場内産業保健スタッフ等によるケア
・産業医をはじめとした産業保健スタッフが、ストレスチェックや具体的なメンタルヘルスケアの計画を推進、個人の健康情報の取り扱い、職場復帰の支援といった活動に取り組む
・従業員が相談したり、メンタルヘルスに関する質問をしたりする窓口を担当する

■事業場外資源によるケア
・従業員が相談したり、メンタルヘルスに関する質問をしたりする窓口を担当する
・メンタルヘルスケアに関する情報提供や職場復帰の支援などといったサポートを活用する

表_職場におけるメンタルヘルスの4つのケアと企業が行うべき行動

【出典】
厚生労働省「職場における心の健康づくり」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf
を加工して作成

産業保健スタッフ等によるケアと事業場外資源によるケアは、事業の内部か外部かでケアの性質や目的が区別されます。たとえば、社内の相談窓口には相談しにくいような内容でも、事業場外資源による「社外相談窓口」を設置すれば従業員もより活用しやすくなります。

事業者場内の管理監督者や事業者、産業医が相互に連携し、ストレスチェックや労働者の健康管理などを継続的に進めていき、メンタルヘルスケアへ円滑に取り組める組織づくりを構築するのが重要なポイントです。

従業員のメンタルヘルスサポートはティーペック

ティーペックは、24 時間健康相談、医師手配、メンタルヘルスカウンセリング等をはじめとした健康経営支援サービスを提供しております。

健康相談窓口

こころとからだの健康は密接に関係しています。

2022年4月から2023年3月までの、1年間のティーペックの相談データを分析したところ、「気になる身体の症状」など、からだの健康に関する相談だけでなく、メンタルヘルス関連の相談も多く寄せられており、需要の高さがうかがえます。

また、最初は「からだの相談」としてスタートしても、専門の相談スタッフが対応した結果、実はその要因に「ストレス(こころの健康)」が大きく影響していた等、相談者ご本人がメンタルヘルス不調を自覚していないケースも多く見られました。

ティーペックの健康相談窓口では、保健師や心理カウンセラーなどの経験豊富な専門家が、こころと一緒にからだの健康もケアすることで潜在的なメンタルヘルス不調者を効率的にキャッチアップします。

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ストレスチェック・職場改善コンサルティング

ティーペックのストレスチェックは実施のスケジューリングから期日管理まで初めての担当者さまでも適切に実施できるようサポートします。また、ストレスチェックをやりっぱなしにせず、結果をしっかりと活用し、課題に応じた最適な改善施策を立案します。

職場復帰サポート

十分に回復していない状況での復職や、受け入れる職場側の準備不足は、再休職リスクを高めます。

ティーペックのこころの専門医ネットワークでは、精神科・心療内科の専門医による復職セカンドオピニオンを手配して、復職可否判断の意見書を提供します。無理のない復職判断および復帰後の業務計画を立てることで、復職時の負担軽減および再休職の予防につなげます。

職場のヘルスリテラシー向上研修・セミナー

従業員一人ひとりのヘルスリテラシー向上が、メンタルヘルス不調などの一次予防・二次予防・三次予防につながります。ティーペックでは以下のような研修プログラムをご用意しています。

【研修テーマ例】
・ラインケア研修
・セルフケア研修
・職場改善ワークショップ など

<事務局より>以下より、従業員のメンタルヘルスの実態について解説している資料をダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。

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<出典>

・厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/kouji/K151130K0020.pdf

・厚生労働省 「令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf

・厚生労働省「令和4年 労働安全衛生調査(実態調査)」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r04-46-50b.html

・厚生労働省「職場における心の健康づくり」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

・厚生労働省「こころと体のセルフケア」
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/index.html


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◆監修者プロフィール

●名前
大西良佳
●科目
美容皮膚科、ペインマネジメント、漢方内科、麻酔科、産業医、公衆衛生
●所属学会・資格
公認心理師
産業医
麻酔科専門医
ペインクリニック専門医
公衆衛生修士
温泉療法医
緩和ケア研修修了
ICLSプロバイダー
●メディア出演実績
テレビ朝日「林修のレッスン!今でしょ」
宝島社
東京スポーツ新聞
小学館


※当記事は、2023年12月に作成されたものです。
※「健康経営(R)」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
※本記事内で紹介されているサービスに関して、記事監修の医師は一切関与しておらず、またサービスの監修もしていません。