メンタルヘルス・ハラスメント
ストレスチェック 2023/03/31

ストレスチェックの報告は義務?記入の仕方と提出方法・制度の概要について解説

こんにちは。企業の健康経営を支援する「わくわくT-PEC」事務局です。

企業が労働者に実施するストレスチェックには、報告義務があるのでしょうか。この記事では、ストレスチェックの報告義務や書き方、提出方法、ストレスチェックの概要などについて解説します。自社で実施したストレスチェックに報告する義務があるのか知りたい人は、参考にしてください。

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<目次>
◆ストレスチェック制度はどのような制度?
◆ストレスチェックの実施と報告書は義務?
◆ストレスチェックが義務になった理由
◆ストレスチェックの報告書の書き方
◆報告書の提出方法
◆まとめ

ストレスチェック制度はどのような制度?

ストレスチェックとは、どのような制度なのでしょうか。それぞれについて解説します。

ストレスチェックの概要は?

ストレスチェックとは、労働者が仕事をするなかで感じているストレスについて調べる検査です。事前に点数が決められている質問項目の回答を集計することで、労働者が体感しているストレスの内容や強さを可視化できます。ストレスを感じている労働者を早期に発見して、メンタルヘルスの不調を防ぎ、事業場全体の労働環境改善につなげることが目標となります。2014年6月の法改正により、2015年12月より「常時使用する労働者が50人以上いる事業場」では、年1回の実施が義務づけられています。

対象者は?

「常時使用する労働者が50人以上いる事業場」で働くすべての労働者がストレスチェックの対象です。

「常時使用する労働者」とは、以下の条件を満たす労働者を指します。

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● 期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年以上である者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。
●その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。
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契約社員・パート・アルバイト・派遣社員など、雇用形態に関わらず条件を満たす場合は実施の対象となり、条件に満たない労働者(契約期間が1年未満で、1週間の労働時間が通常の労働者の4分の3未満の短時間労働者)はストレスチェックの対象には含まれません。

ただし、1つ目の要件を満たし、1週間の労働時間数がおおむね2分の1以上である人には、ストレスチェックを実施するのが望ましいとされています。

実施時期や方法は?

実施する時期は定められていませんが、1年以内に1度実施しなければなりません。産業医や保健師など定められた人が実施者となり、ストレスチェックの対象者に検査を行います。事業場の繁忙期を避けて実施してよいとされており、実施時期が異なると正しい結果とならない可能性があるため、毎年同じ時期に実施しましょう。

質問票の結果から、高ストレス状態にある労働者を選定します。分析の結果は、労働者に通知し、面接指導を勧奨します。高ストレス状態と診断された労働者からの申し出に応じて、実施者は医師による面接指導を実施します。面接指導の結果、必要があれば、会社は業務の改善を検討しなければなりません。

ストレスチェックの実施と報告書は義務?

ストレスチェックの実施と報告書の提出は、義務なのでしょうか。それぞれについて解説します。

ストレスチェックの実施は?

労働者が常時50人以上の全事業場に、1年以内ごとに1回のストレスチェックの実施義務があります。「常時50人以上※」とは、ストレスチェックの対象者のように勤務時間や勤務日数によって定められる数字ではなく、継続的に雇用し使用している労働者をすべてカウントしなければなりません。そのため、週1回程度のパートタイム労働者であっても労働者数に含まれます。

※ここで言う「常時50人以上」とは、事業場で常態として使用する労働者すべてであり、ストレスチェックの対象者である「常時使用する労働者」とは異なりますのでご注意ください。

労働者が50人未満の事業場は「努力義務」ですが、本社の全労働者が50人以上である場合などは、全社員が受検できるよう体制を整備するのが望ましいでしょう。

また、労働者が常時50人以上の事業場は、ストレスチェック及び面接指導の実施の有無に関わらず報告書を提出しなければなりません。報告は事業場ごとに行う必要があります。支店・営業所分をまとめて報告することはできません。(50人未満の事業場については、報告義務はありません。)

※出典:東京労働局 王子労働基準監督署「ストレスチェックと面接指導実施状況の報告について」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/var/rev0/0146/2382/20161012115731.pdf

ストレスチェックの報告書は?

常時50人以上の労働者を使用している事業場は、1年ごとに1回以内のペースで、所轄の労働基準監督署に対してストレスチェックの結果に基づいて作られる報告書の提出が義務づけられています。報告書の未提出や虚偽の報告をした場合には、50万円以下の罰金が科されます。50人未満の事業場に対しては、報告義務はありません。

ストレスチェックが義務になった理由

なぜ、ストレスチェックが義務となったのでしょうか。主な2つの理由を解説します。

労災請求件数の増加

精神障害を原因とする労災請求件数は年々増加しています。気分の落ち込みや意欲の低下、不眠などに悩み、出勤できなくなるケースもあるようです。厚生労働省の『令和3年度「過労死等の労災補償状況」』の資料によると、労災請求に至った精神障害の原因は「上司等からのパワーハラスメント」「仕事内容や仕事量の変化」「悲惨な事故などの目撃」などが多いとされています。

自殺の原因の約半数が健康や勤務の問題

平成21年以降、日本の自殺者数は年々減少傾向が続きました。それでも2022年世界保健機関の統計では、諸外国と比較して6番目に高い状況です。また、平成28年度における原因の内訳は健康問題と勤務問題で約46.9%を占め、仕事が関与するケースが多くなっています。

さらに、令和3年3月発表の厚生労働省「警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等」では前年と比較し自殺者数が増加しています。こうした背景から、ストレスチェックの義務化により、メンタルヘルスの不調を未然に防ぎ、健康リスクを軽減することを目的としています。

ストレスチェックの報告書の書き方

労働基準監督署に提出しなければならない報告書は、どのように書けばよいのでしょうか。書式や項目ごとの書き方を解説します。

報告書の書式

厚生労働省のホームページからストレスチェックの報告書、正式には「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書様式」の書式をダウンロードできます。また、インターネット上で報告書を作成するサービスが厚生労働省から提供されています。

印刷する際はA4の普通用紙を使用し、印刷した用紙をさらにコピーすることは避けましょう。書式は2枚ありますが、提出が必要なのは1枚目のみです。

検査実施年月

「検査実施年月」の欄には、ストレスチェックを実施した月を記入します。複数の月にわたって実施した際は、最終月を書きましょう。1年に複数回実施している場合は、そのうちの1回分のみを記入し報告します。

事業の種類

「事業の種類」の欄には、日本標準産業分類の中分類のうち、事業場が該当する分類を記入します。自社がどこに該当するかわからない際は、総務省のホームページや所轄の労働基準監督署に問い合わせましょう。

在席労働者数

「在席労働者数」の欄には、ストレスチェックを実施する時点での労働者の人数を記入します。ただし、ストレスチェックの実施義務の対象ではない、通常の労働者の4分の3未満のパートタイム労働者や派遣先の派遣労働者は含めません。

検査を実施した者と産業医

「検査を実施した者」の欄には、実施者について記入します。該当者が2人以上の際は、代表者について記入しましょう。「産業医」の欄には、事業場で選任した産業医の氏名、所属医療機関名、所在地を記入します。

外部にストレスチェックを依頼した際は、自社と契約した産業医について記入します。なお、令和2年8月28日以降、産業医の押印は不要となりました。

産業医に確認してもらう

報告書を作成後、産業医に内容を確認してもらいましょう。産業医による押印は不要となりましたが、確認を怠ってはなりません。産業医の記名は必要なため注意しましょう。

報告書の提出方法

報告書を所轄の労働基準監督署へ提出するには3つの方法があります。それぞれの流れを解説します。

◆直接提出する
所轄の労働基準監督署に持参し直接提出します。ただし、受付時間が限定されている点や休日は提出できない点に注意が必要です。新型コロナウイルスの影響で直接の提出を制限する可能性もあるため、事前に所轄の労働基準監督署へ確認してから持参しましょう。

◆郵送で提出する
報告書は直接持参するだけでなく、郵送での提出も可能です。作成した報告書2通(控えが必要な場合)と、切手を貼り宛名を記入した返信用封筒を同封し、所轄の労働基準監督署へ送付しましょう。

◆電子申請する
インターネット上の「e-Gov」から24時間365日いつでも申請が可能です。システムに不具合が起きたり、サーバーのメンテナンスが実施されたりする可能性があるため、期限に余裕を持って提出しましょう。

まとめ

労働者が常時50人以上の全事業場は1年以内ごとに1回のストレスチェックの実施義務があり、報告書の提出義務があります。事業場の繁忙期を避け、毎年同じ時期に実施するようにしましょう。

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参考

・東京労働局 王子労働基準監督署「ストレスチェックと面接指導実施状況の報告について」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/var/rev0/0146/2382/20161012115731.pdf

・厚生労働省「平成29年版自殺対策白書」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsuhakusyo2017.html

・厚生労働省自殺対策推進室「警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等」
https://www.mhlw.go.jp/content/202012R2-sokuhou.pdf

・厚生労働省「5 原因・動機別の自殺者数の推移」
https://www.mhlw.go.jp/content/h29h-1-5.pdf

・厚生労働省『令和3年度「過労死等の労災補償状況」を公表します』
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26394.html

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※当記事は2023年3月に作成されたものです。
※「健康経営(R)」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

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