何がわかる?健康診断
私たちが定期的に受けている健康診断は、様々な病気の早期発見はもちろん、自分の身体の健康状態を知る良い機会にもなります。この記事では、健康診断の検査項目の目的や各検査でわかること、関連する病気について簡単に解説しています。
健康診断の「基準値」とは
全国健康保険協会によると、基準値とは下記の通りです。
“健診や人間ドックで用いられる基準値とは、健康な人々の検査データを統計学的に算出した数値のことです。このデータは、20〜60歳くらいまでの健康な人の検査成績をもとに、上限と下限の2.5%ずつを除外したもので、残りの95%の人の数値が基準範囲とされています。つまり、「現時点では健康と考えられる人の95%が含まれる範囲」が基準値ということです。”
※出典:全国健康保険協会HP「基準値とは」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
健康診断の基準値は、健康診断結果に記載されています。今一度ご自身の健康診断結果を確認してみましょう。健康診断の結果が基準値の範囲内か否かの確認はもちろんのこと、基準値内であっても、過去の数値からの推移でご自身の身体の変化や、生活習慣を振り返るなど、生活習慣や健康状態の改善にお役立てください。
定期健康診断の検査項目と検査でわかること
※上図は、全国健康保険協会HP「健診のご案内」を参考にティーペックが作成
健康診断を受ける時の注意点
【健康診断前の飲食の制限を守る】
健康診断の検査項目の中には、食事の影響を受けるものがあるので、検査前の指示はしっかり守りましょう。一般的には、健康診断の10~12時間前までに夕食を済ませ、当日の朝食は摂らず、水分は水のみにします。アメやガム、ミントタブレットなどの清涼菓子も食べないように注意してください。もし誤って食事などを摂ってしまった場合は、健康診断を受ける施設へ伝えましょう。
【健康診断前に特別なことはしない】
健康診断は、良い結果を出すことが目的ではありません。健康診断前の食事や飲み物の制限は必ず守っていただく必要はありますが、それ以外は普段と変わらない生活をした上で健康診断を受け、ありのままの自分の健康状態を知る機会にしましょう。
【当日はリラックス】
病院などの医療機関は、独特の雰囲気があり、緊張してしまう方も少なくないと思います。血圧は、緊張などの精神状態が反映してしまうため、リラックスするよう心がけましょう。
【検査後の注意点などはきちんと聞きましょう】
健康診断の検査後に注意点を伝えられることがあります。慣れない検査への緊張などで、聞き逃してしまうこともあるため、注意点が書かれた用紙などを渡す健診施設もあるようです。わからないことがある場合は、必ず確認し、きちんと実行できるようにしましょう。
【自覚症状がある場合はすぐに医療機関へ】
健康診断でも、必ず自覚症状の有無を確認しますが、健康状態を確認する目的で行われています。基本的に治療などは行わないため、すでに気になる症状がある場合は、健康診断を待たず、すぐに医療機関を受診しましょう。
【治療中の方は主治医へ確認を】
健康診断前の食事や飲み物の制限、受ける検査によっては服薬を一時中止する指示がある場合もあるので、事前に主治医に確認しておくと安心です。また、服薬内容がわかるよう、メモやお薬手帳を持っていくと良いと思います。
健康診断は受けて満足するだけではなく、前回の結果と見比べて変化がないかを確認したり、気になる生活習慣と照らし合わせてみるなど、ご自身の健康と向き合う良い機会にしてください。
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参考:
・全国健康保険協会HP「健診のご案内、基準値とは」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
・和田高士著『新版 検査と数値を知る事典』日本文芸社、2015年
・医療情報科学研究所編集『職場の健康が見える vol.1 産業保健の基礎と健康経営 第1版』メディックメディア、2019年
・厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等の診断項目の取扱いが一部変更になります」(リーフレット)
http://www.saitama-kenkou.or.jp/pdf/mhlw-kihatu0804-04.pdf
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※当記事は2020年12月に作成したものです。