特集
健康経営 2020/07/06

働き方別従業員の非常時におけるセルフケア

新型コロナウイルス感染症は、日本の働く環境、そして働き方に大きな影響を与えました。感染リスクを抱えながらの出勤や、十分に準備ができていない状態での在宅勤務、働く意欲はあるのに自宅待機となるなど、仕事をする皆様には大きなストレスとなっているのではないでしょうか。今回は、従業員がストレスを抱え込み過ぎないようにするために、各々の特徴的なポイントと、活用できるセルフケアについてご案内します。

出社従業員のセルフケア

感染リスクを抱えながらの出社は大きなストレスとなりえます。仲間や会社から必要とされる業務ですが、無理をすると、心身ともにエネルギーを失い、病気になる危険性があります。

1.自分自身をいたわることは、他人に対する責任でもあることを理解する

◆休憩を全く取らなかったり、疲労困憊するまで過度に働いたりすることは控える。
◆「こんな時には自分の個人的な悩みやニーズは取るに足らないものだ」などと無理に押し込めない。必要な時には、遠慮なく職場に支援を求める。

2.簡単なストレス対処法を日常生活に取り入れる

◆目が覚めたら布団のなかで大きく伸びをする。出来る人は腹式呼吸を組み合わせる。
◆洗面所などでは鏡を利用して表情筋を動かす。
・目を大きく開けたり閉じたりを5回~10回繰り返す
・口を大きく開けて「アエイオウ」をゆっくり発声する
・舌を思い切り「べー」と出したり、口角を上げたり下げたりする
・笑顔を5、6回作る

在宅勤務従業員のセルフケア

在宅での勤務は、仕事とプライベートの境界があいまいになりがちです。生活時間と就業時間に区切りをつけるために、自分なりの切り替えができるような行動・アクションを決めて取り入れてみましょう。

1.いつも以上にメリハリをつけて業務を行う

◆始業前や終業後にラジオ体操やストレッチを行う、身だしなみを整えるなどのアクションで区切りをつける。
◆1時間に1回程度、椅子から立ち上がって背伸びをしたり深呼吸をしたりなど、体を動かす。
◆集中が途切れたり行き詰まったりしたら、気分転換やリフレッシュを心がける。

2.コミュニケーションを大切にする

◆同居のご家族がいる場合、困っていることや協力をしてほしいことなどを、『アイメッセージ(私は〇〇と感じている)』で率直に伝える。
◆ご家族などとの話し合いや協力、会社への報告と相談など、コミュニケーションを大切にする。

※下記「非常時におけるセルフケア~働き方編~」のPDFは、ログイン後にダウンロードいただけます。

非常時におけるセルフケア ~働き方編~(PDF:975.8KB)

自宅待機従業員のセルフケア

働きたいのに、働けないというのは収入面の不安はもちろんのこと、今までの仕事のモチベーションにも影響してくると思います。

自宅待機中には、生活リズムの乱れが懸念されます。また、特に一人暮らしの従業員は、不安や孤独を感じやすくなるため、ひとりで抱え込まないようにすることが大切です。

1.生活リズムを整える

◆朝の光と共に起床し、規則正しい生活リズムを整え、維持する。
◆インターネットの配信動画などを参考に、家の中でもできる手軽な運動に取り組む。
◆ストレスや不規則な生活による、食べ過ぎ、太り過ぎに注意する。

2.コミュニケーションを維持し、誰かに自分の状況や気持ちを理解してもらう

◆ご家族や友人、仕事上の関係者などとのコミュニケーションを維持する。
◆電話をする、SNSを使って会話する、サイトに自分の思いを発信する。
◆忙しさから疎遠になってしまっていた相手に連絡を取ってみる。葉書や絵手紙などを書いてみる。

自宅待機従業員に対する上司の対応~ラインケア

平日の日中に定期的に自宅待機従業員と連絡を取るようにしましょう。特に、一人暮らしの従業員には小まめに連絡をしましょう。連絡の際には、気になる心身の不調はないか、困っていることはないかなどを確認しましょう。なお、会社の指示として出社を控え、業務を行わないとする「自宅待機」の従業員に、業務の指示を出さないように注意しましょう。

1.部下から何らかの訴えがあった場合

◆部下の訴えを真摯に受け止める。
◆部下の話を否定せずに聴き、不安に感じる気持ちに寄り添う。
◆職場の対策における問題点の指摘や改善案の提言などあれば、メモを取りながら聞く。
◆その場で答えられない事は、「対策会議で検討する」などの見通しを伝える。
◆大切なことは、従業員一人ひとりが、職場や上司から大切にされていると感じられること。

2.上司がひとりで抱えることのないよう、部下からの訴えにはチームで対応する

◆管理監督者、人事総務の担当者、安全衛生の担当者、産業医などで構成されたチームで対応する。
◆チーム内や関係者とのコミュニケーションを大切にする。

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非常時におけるセルフケア ~自宅待機編~(PDF:863.8KB)

新型コロナウイルス関連ハラスメント相談内容

新型コロナウイルスに関するハラスメント相談では、以下のようなご相談が多くありました。
1 在宅勤務/休みが認められない
様々な理由によって在宅勤務や休みを希望しても、それが認められない状況があるようです。また、もし休んだ場合は戻れる保証がないと不安を感じている相談者も多くいました。
2 在宅勤務の指示が不平等
在宅勤務の指示やその回数に、雇用形態などによって違いがあり、差別を感じる、という相談が目立ちました。
3 職場の対策不備/上司の対策意識の低さ
実際に職場内で感染が確認された時や、職場の感染予防対策について、職場や上司の対応に不安や怒り、不信などを感じながら業務にあたっている様子が見受けられました。

新型コロナウイルス関連ハラスメント相談内容では、職場や通勤で感染することへの強い不安が共通して根底にあるようです。非常事態という特殊な状況下で働かなければいけない不安や、ストレスと上手に付き合っていけるよう、セルフケアを実践していくことが大切です。

新型コロナウイルス感染症対策のため、コミュニケーションの形態、職場の人間関係など、普段の仕事に大きな混乱が生じたかもしれません。このような時だからこそ、丁寧なコミュニケーションを心がけ、チーム一丸となって乗り切りましょう。


T-PEC EAPセンター
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参考:
・ World Health Organization「Coping with stress during the 2019-nCoV outbreak」
https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/coping-with-stress.pdf?sfvrsn=9845bc3a_2
  
・一般社団法人日本産業カウンセラー協会「新型コロナウイルスに対する心と体の免疫力をつける」
https://www.counselor.or.jp/covid19/covid19column8/tabid/514/Default.aspx

・一般社団法人日本心理臨床学会「コミュニティの危機とこころのケア」
https://www.ajcp.info/heart311/

・日本赤十字社「新型コロナウイルス感染症対応に従事されている方のこころの健康を維持するために」

・一般社団法人日本産業カウンセラー協会「新型コロナウイルス感染症対応―テレワーク(在宅勤務)取り組みの留意点―」 
https://www.counselor.or.jp/covid19/covid19column6/tabid/512/Default.aspx   

・国立研究開発法人国立成育医療研究センター「新型コロナウイルスと子どものストレスについて」
http://www.ncchd.go.jp/news/2020/20200410.html

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※当記事は2020年6月時点で作成したものです。