【セカンドオピニオンを考えよう!】Vol.1 自分で探す?プロに頼む?どうするセカンドオピニオン
昨年より、毎年2月14日は「セカンドオピニオンを考える日」に制定されました。そこで今回は、「セカンドオピニオンを考えよう!自分で探す?プロに頼む?どうするセカンドオピニオン」をテーマに実施した座談会の模様をお伝えします。
<対談メンバー>
藤森香衣さん:モデル、NPO法人C-ribbons代表理事
2012年に乳がんの診断を受ける
花木裕介さん:ティーペック株式会社サービス企画室 マネージャー、
産業カウンセラー、がん対策推進企業アクション認定講師
2017年に中咽頭がんの診断を受ける
遠藤大輔さん:ティーペック株式会社サービス企画部 部長
花木さんの上司としてがん罹患から復帰までサポートした
どうしていいかわからずセカンドオピニオンを諦めてしまう人も
――――― 藤森さんと花木さんはがんを経験されていますが、セカンドオピニオンについて、どうなさったのか教えてください。
藤森:私はセカンドオピニオンを自分で手配しました。治療のために紹介された都内にある病院のドクターとあまり相性がよくなかったので、セカンドオピニオンを受けることにしたのです。手順など何もわからなかったので不安はありましたが、とにかく自分で調べてやってみました。
病院の受付でおそるおそる「セカンドオピニオンをとりたいんですけど」と言うと、「どこの病院ですか?先生の名前は?紹介状を書くので名前がないと困るんですよ」と威圧的な態度で返されました。病気になっただけでもつらいのに、さらに病院でも嫌な思いをさせられるなんて、と悲しい気持ちになりました。
遠藤:それは大変でしたね。
藤森:今、私はC-ribbons代表理事としてがん患者さんたちから相談を受ける機会があるのですが、大半の方はセカンドオピニオンを受ける手順を知りませんし、どこの病院に行けばいいのかもわかりません。
私もそうでしたが、診断直後は自分の病気や治療のこと、仕事のこと、人生のこと、いろいろなことで頭がパンパンな状態なので「もうセカンドオピニオンは受けなくていい」と諦めてしまう人も多い。まして、ドクターや受付で少しでも嫌そうな態度をとられたら、もう無理って気持ちになってしまいますよね。
相談者の希望にそった病院を提案、手配を行うティーペックのセカンドオピニオン手配サービス
花木:藤森さんのお話を伺って、私は恵まれていたなと思います。
がんの診断を受けた時に「せっかくティーペックで働いているのだから、自社のサービスを活用してみよう」とセカンドオピニオン手配サービスを利用しました。こういう会社に所属している身としてはお恥ずかしい話なのですが、いざ当事者になってみると、どうやって手続きすればいいのかなど不安なところが多々ありました。
最初に気になったのは「主治医の機嫌を損ねないか」ということです。ヘルスカウンセラーにたずねたところ「私は先生に治療をお願いしたいと思っているのですが、親族から一度セカンドオピニオンをとったほうがいいのではと言われていて……」と切り出すと話が円滑に進むとアドバイスしてもらいました。
遠藤:セカンドオピニオン手配サービスは電話口でヘルスカウンセラーが対応します。まず相談者さんの気持ちを伺いながら、一緒に状況の整理をします。セカンドオピニオンを希望する場合、相談者さんの状況に合った病院をいくつか提案します。
その後、病院によっては、こちらで手配をして、事前にその病院に対し、相談者さんの既往歴や病状、セカンドオピニオンを聞きたいと思った経緯などを書面で送付。相談者さんには、必要な書類などの準備、手順などを改めてお伝えするといった流れです。
花木:私の病気はあまり患者数の多いがんではないので、症例数のある病院を手配してもらいました。ティーペックには全国の実績のある医師が所属する医療機関ネットワークがあるので、安心してセカンドオピニオンを受けることができました。
実は私、その後、サードオピニオンを受けようと自分で手配してみたのですが、もう本当に大変で。平日に自分で病院に電話して、情報が一つでも欠けていたら「また準備できてから、ご連絡してください」と仮予約すら入れられない。ティーペックのセカンドオピニオン手配サービスの素晴らしさを実感しました。加入している保険の付帯サービスなどで利用できる方はぜひこのサービスを活用していただきたいですね。
藤森:私、実はティーペックのセカンドオピニオン手配サービスの対象者だったんです。保険に加入した時にたぶん説明は受けたはずだったのですが、覚えていなくて…。悔やんでも悔やみきれません。
花木:セカンドオピニオン手配サービスを受ける中で、個人的には、ヘルスカウンセラーに自分のことを伝えて、理解してもらえたことが一番大きかったですね。診断後は気持ちが追いついていかなくて、家族の他にも悩みを聞いてくれる場所がほしかった。話をしているうちに気持ちが落ち着き、頭が整理されて「セカンドオピニオンでは、こういうことを聞いてみよう」と思いつくようになりました。ドクターに話を伺える時間は限られているので、自分で手配するとしても、聞きたいことを準備しておくことはとても大事だと思います。
電話によるセカンドオピニオンも 患者さんと病院をよりよい形でつなぐ
――――― 患者さんの中には、セカンドオピニオンの言葉は知っていても、内容を正しく理解していない人も多いと聞きますが。
遠藤:そうかもしれませんね。セカンドオピニオンは主治医とは別の医師の意見を聞くことですが、転院と混同されている人も多いですし、いきなり病院に電話して「すぐに手術してください」とおっしゃる方もいて、まず「セカンドオピニオンとは何なのか」というところから説明をしないといけないこともあります。
ティーペックのセカンドオピニオン手配サービスでは、相談者さんにセカンドオピニオンとはどういうものかをきちんとお伝えするのはもちろん、ドクターに聞きたいことをしっかり聞けるように相談者さんの想いを察しながら、要点を整理します。
また、病院に対してはドクターの負担を軽減するための書類をしっかり準備します。病院からは「ティーペックに紹介された患者さんは、質問内容が明確なので時間内で有意義なコンサルティングができます」というお言葉をいただくことがあります。
花木:確かに。セカンドオピニオンを受けに行った時に、きちんとドクターと話ができるように、ヘルスリテラシーを上げてもらえたので、本当に助かりました。
遠藤:基本、セカンドオピニオンは面談で行われますが、遠くにしか病院がない、または体調やスケジュールなどの理由から足を運ぶことが難しい人のために「電話によるセカンドオピニオン」も手配しています。乳腺外科、婦人科、泌尿器科など対応ができます。他にも対応できる科もありますので、まずはお電話ください。
藤森:大都市以外にお住まいの方から、「セカンドオピニオンを受けに行くのに何時間もかかるので諦めた」という話も伺うので、これはうれしいサービスだと思います。
遠藤:ティーペックでは、全国の先生方との信頼関係が重要と考えており、その構築・維持にも力を入れています。よりよいサービスを提供するために、日々取り組んでいますので、安心してご利用いただければと思います。
―――――藤森さん、遠藤さん、花木さん、ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。最後に、藤森さんからT-PEC Channel認定者の皆様へメッセージをいただきましたので、ご紹介させていただきます。
藤森さんからのメッセージ
私は、病気を公表してから知ったことがとても多く、「告知を受けてすぐに、この情報をもらえていたら…」と、未だに思うことがあります。電話健康相談やセカンドオピニオン手配サービスなど、ティーペックが提供する保険付帯サービスも知りたかった情報の1つです。
セカンドオピニオンについても、東京に住んでいるから、手探りでも何とかなりましたが、方法すらわからないままの人が多いのが現状です。私のような、がんについての活動をしている人たちが周りにいる方には、必要な情報や方法などをお伝えできますが、それは出会えた人たちだけになってしまいます。
“告知をされてすぐの人たち”に寄り添えるのは主治医と、『保険のお仕事をされている皆さん』です。
患者さんにとっての恐怖は「自分はこれからどうなるのか」という、わからないことへの怖さです。様々な不安を抱える中、【情報という名の明かり】を治療への道に灯してもらえるだけで、患者さんやご家族は、とても救われます。
その時は耳に入らなくても、一か月後には必要な情報もあったりするので、何度も伝えてあげてください。
藤森香衣(ふじもりかえ)
11才からモデルを始め、広告、CM、テレビなどを中心に活動。中でも、出演したCMの本数は70本を超える。現在はモデルとしての活動の他、テレビショッピングチャンネルQVCにて、自身がプロデュースするブランド商品の販売を行っている。乳がんで友人を亡くした事をきっかけに、検診の重要性を知り、自分のしこりを発見、2013年4月、右乳房全摘出及び、同時再建手術を受けた。
術後すぐに早期発見の重要性を伝えると共に、自身の病気を公表し、モデルの仕事も続けながら、講演活動などを行っている。サバイバーや支える全ての人が孤独を感じずに、よりよく生きる社会を実現するため、2016年にNPO法人 C-ribbonsを設立、代表理事を務める。
NPO法人 C-ribbons
http://www.c-ribbons.com/
※当記事は2020年2月時点で作成されたものです。
※当記事は個人の体験談に基づくものです。